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ニッコウイワナ サケ目サケ科



ニッコウイワナ


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標準和名 ニッコウイワナ (日光岩魚)
分 類 サケ目・サケ科・サケ亜科・イワナ属
学 名 Salvelinus leucomaenis pluvius
英 名 Japanese Char
分 布 東北から北陸、山陰地方など
生息環境 湖や河川など
全 長 30~60cm 程度
備 考 背びれ・10~14軟条、しりびれ・8~12軟条
ニッコウイワナは日本の固有種とされるサケ科の淡水魚で、山梨県富士川と鳥取県日野川より北の本州各地に分布するとされているが、エゾイワナやヤマトイワナ、ゴギなど、ほかのイワナとの区別がはっきりしておらず、正確な分布域も分かっていない。

体型や体色はヤマメやアマゴなどに似ていて、背びれの後に脂ひれも見られる。
鱗は小さな櫛鱗で、体側には眼と同じ程度の大きさの黄色や橙色の斑があり、背から側線にかけても小さな白い斑がある。
しかし、この斑は成長と共に薄くなったり、生息地域や固体によっても変化が大きく、中には斑が崩れて縞模様になっているものや、まったく斑がないものも見られる。

「イワナ(岩魚)」とは岩の多いところにいる魚の意味で、名前のように、主に岩の多い川の上流域を中心に、山間の湖などに生息している。
食性は動物食で、水棲昆虫や落下昆虫の他、甲殻類や小魚、ミミズ、カエル、サンショウウオなどを食べる。

河川ではヤマメなどと混生していることもあるが、ニッコウイワナは夏でも13~15℃位の水温を好み、普通はヤマメやアマゴなどよりも上流域に多く見られる。
しかし、下流域などでも見られ、アマゴやタカハヤなどと一緒にいることもある。

産卵期は水温が10℃を下回る秋頃で、他のサケ科の魚が好む広い平瀬よりも、川幅の狭い支流を好み、流れの緩やかな砂礫底に産卵する。

卵は直径5~6mm程度の沈性卵で、真冬に孵化した後、仔魚はそのまま礫下などに留まっている。
春先には泳ぎ出て、流れの緩い岸辺などに表れる。
秋には15~20cm程度に成長し、早いものでは1~2年で成熟する。
また、ニッコウイワナは降海型は知られていないとされるが、沿岸域に下るものがいるとも言われている。

ニッコウイワナは山間部の重要な食用魚として利用されていたが、現在でも郷土料理などに利用されている。
白身の魚で、塩焼きや燻製などに利用されるが、近年は養殖ものが出回っているほか、釣りの対象魚としても人気がある。

また、近年では開発によって生息地が減少している一方、無秩序な放流による生態系への影響が懸念されるなど、ニッコウイワナをめぐっては複雑な状況にある。