マアジ

マアジ ススズキ目・アジ科

マアジ

マアジ 1マアジ 2マアジ 3マアジ 4
標準和名 マアジ (真鰺)
分 類 スズキ目・スズキ亜目・アジ科・アジ亜科・マアジ属
学 名 Trachurus japonicus
英 名 Japanese jack mackerel / Japanese horse mackerel / Japanese scad
分 布 日本や朝鮮半島、東シナ海など
生息環境 沿岸から沖合い
全 長 30~35cm 程度
別名・地方名 キンベアジ(鹿児島)、ゼンゴ(中国・四国地方/小型のもの)、ヒラアジ(広島・大阪・和歌山など)、オオアジ(兵庫・島根)、メダマ(東京)、アヅ(富山・秋田)、その他・アジ、ホンアジ、キアジ、クロアジなど
備 考 背びれ・第一背びれ・8棘、第二背びれ・1棘30~35軟条、しりびれ・3棘26~30軟条

マアジは日本各地や朝鮮半島、東シナ海など、北西太平洋に分布している固有種で、単に「アジ」と言えば本種を指すことが多い。
日本海に多く、大きいものでは50cm程に成長し、身近な魚として地方名も多い。

体はやや長い紡錘形で、全体にやや側扁している。
頭長は体高よりも長く、尾柄は細くて、尾びれは二叉している。
しりびれの起部には2本の棘があり、鰓蓋の上縁にはひとつの黒い斑が見られる。

アジ類に見られる稜鱗(りょうりん・ぜいご)は大きく、側線の全体に見られ、側線は体の中ほどで大きく下方に湾曲し、背びれの第8軟条の下辺りから尾まで直走している。
体色は銀白色で、背側は黒っぽい緑色のような色をしている。

一見するとマルアジやメアジなどに似ているが、マアジには尾柄に離鰭がなく、側線全体に稜鱗が見られる。

沿岸から沖合いの中層から下層辺りに群れで生息していて、動物プランクトンや甲殻類、多毛類、イカや小魚などを食べる。
水深2~150m辺りまで広く生息していて、稚魚は表層で見られるが、成魚の多くは水深10~100m辺りの中層から下層で見られる。
また、産卵期には浅場に寄ってくるので、幼魚は内湾などでも見られる。

産卵期は地方によって異なるが、東シナ海では1~2月頃、九州地方で3~5月頃、北海道近海では7~8月頃と言われている。
卵は直径0.8~0.9mm程の分離浮性卵で、およそ40時間ほどで孵化する。
仔魚は全長2.5mm程で、幼魚は流れ藻や流木につくこともある。
2~3年で成熟し、5~6年程の寿命があるが、最長で12年という記録が知られている。

ところで、マアジには定着型と回遊型が知られていて、体型や体色にも若干の違いが見られる。
地方名でキアジやクロアジなどと呼ばれているもので、定着型(キアジ)のものは沿岸の岩礁域やその周辺などに生息していて、季節的な回遊などはしない。
また、体高がやや高く、体色も黄色みが強いが、回遊型(クロアジ)のものは沿岸から沖合の中層から底層を遊泳していて、春に北上して秋には南下する季節回遊を行い、体はやや細長く、黒っぽい色をしている。

イワシサバと同様、マアジは大切な食用魚として利用されている。
定置網や巻き網、引き網や刺し網、釣りなど、さまざまな漁法で獲られ、ほぼ一年を通して水揚げがある。

「アジ」の名前は「味がよい」ことから付けられていると言うが、マアジは刺身や塩焼き、煮つけやフライ、干物や練り製品など、幼魚から成魚まで幅広く利用されていて、美味しいものとされている。

尚、マアジは大衆魚と言われているが、同じ大衆魚とされるマイワシの漁獲量が多くなると、マアジやカタクチイワシなどの漁獲量は少なくなり、これらの漁獲量が増すと、マイワシの漁獲量が減少するという統計が出ているが、これらの相対的な関係は分かっていない。

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