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ボウズハゼ スズキ目・ハゼ科



ボウズハゼ


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標準和名 ボウズハゼ
分 類 スズキ目・ハゼ亜目・ハゼ科・ボウズハゼ亜科・ボウズハゼ属
学 名 Sicyopterus japonicus
分 布 日本や台湾、韓国など
生息環境 河川の上流から中流域など
全 長 12~20cm 程度
ボウズハゼは、関東辺りより西の太平洋側から南西諸島にかけて分布している両側回遊のハゼの仲間で、国外では台湾や韓国にも分布している。
また、福島辺りにも分布していると言われていて、小笠原諸島でも見られる。

体は細長くて側扁しているが、頭部や吻は丸みを帯びていて、口は下面に開き、上唇は厚い。
また、腹びれは吸盤状になっているが、口も吸盤状になっている。

体色は茶褐色や灰褐色などで、体側には黒褐色の帯状の斑が10本ほど見られる。

一見してルリボウズハゼに似ているが、ボウズハゼには、ルリボウズハゼの尾びれの上下に見られる暗色の筋はなく、雄の体側に見られる瑠璃色もないことなどから判別することができる。

ボウズハゼは、主に河川の上流から中流域に生息していて、吸盤状の口で、岩についた付着藻類を食べる。
この食性から、ボウズハゼは縄張りをもち、同じ食性をもつアユなどに対しても縄張り行動を示す。

また、流れのあるところから流れの緩やかなところまで幅広く生息しているが、いずれも、礫底や岩の多い場所で生活していて、砂底では見られず、岩が多くて付着藻類がある環境で生活している。

国内での産卵期は7~9月頃と言われていて、平瀬や淵の周囲などの石の隙間や底石の天井に産卵する。
卵の直径は0.45㎜程で、2日程度で孵化するが、雄は孵化するまでは卵を守る習性がある。

両側回遊性で、孵化した仔魚は海へ下り、沿岸域の表層から中層で遊泳生活を送る。
越冬した後、翌年の3~5月頃には河口や汽水域に集まり、川を上っていく。

この頃には成魚と同じ色になっていて、河川の中流や上流域に達すると、群れは分散して底性生活を送るようになる。
また、自然下で3~4年程の寿命をもっているが、ボウスハゼの吸盤の力は強く、川を遡上する時、かなり流れの速いところや切り立った岩場などでも、吸盤と唇を使って遡上することができる。

ボウズハゼは動きが敏捷で、捕らえるのが難しいが、アユの友釣りなどで釣れることがある。
普通は食用には利用しないが、塩焼きなどに利用されることがある。