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タナゴモドキ スズキ目・カワアナゴ科



タナゴモドキ


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標準和名 タナゴモドキ
分 類 スズキ目・ハゼ亜目・カワアナゴ科・カワアナゴ亜科・タナゴモドキ属
学 名 Hypseleotris cyprinoides
英 名 Tropical carp-gudgeon
分 布 西太平洋やインド洋の沿岸諸国など
生息環境 河川の中流から下流域や細流など
全 長 7~8cm 程度
備 考 背びれ・7棘8軟条、しりびれ・1棘9軟条
保護状況 環境省レッドリスト・絶滅危惧IB類(EN)
タナゴモドキは「タナゴ」と名前についているが、カワアナゴ科の淡水魚で、国内では奄美大島辺りから琉球列島にかけて分布していて、和歌山や高知、宮崎など、黒潮の影響を受ける地域でも観察されている。
また、国外では台湾やフィリピン諸島、フィジーやインドネシア、ニュー・ギニア、ニューカレドニア、バヌアツ、サモアなどにも分布していて、アフリカのマダガスカルにも分布している。

タナゴモドキはハゼ亜目に属しているが、体つきは他のハゼ類とは異なり側扁していて、成長とともに体高も高くなる。
頭部と口も小さく、左右の腹びれも分離していて、一見してコイ科のタナゴ類を連想させることから名前が付けられている。

体色は暗い茶色や黄土色などで、腹部は白っぽく、体側には1本の太い黒色の縦帯が見られる。
胸びれの基底には黒斑があり、尾びれの基底にも暗色の丸い斑がひとつ見られる。
また、雌の各鰭はほとんど透明だが、雄の背びれは黒っぽく、淡い白色斑や線模様があるもが多い。

タナゴモドキは河川の中流から下流域や細流、ワンドや水田、湿地の池などに生息していて、止水域や淵などの流れの緩やかなところで見られる。
水草や倒木など、隠れ場所の多い所を好んで生息していて、群れをつくって生活している。
底性の魚で、デトリタスや巻貝、水生昆虫の幼虫などを食べる。

沖縄地方での産卵期は4~12月頃と考えられていて、産卵期の雄ははっきりとした婚姻色を現す。
体全体が橙色を帯びたような褐色になり、しりびれは鮮やかな赤橙色で、端は白く縁取られる。
また、背びれも黒くなり、端は青白く縁取られるが、雌では全体に淡い黒色になる。

雌は沈性の付着卵を産卵し、卵の大きさは0.30~0.33mm程のほぼ球形をしている。
仔魚は全長1.2mm程で、水温20~22℃で12時間以内に孵化する。
生まれたばかりの仔魚は多くの卵黄を残しているが、一週間程で卵黄を吸収して全長2mm程に成長する。
また、仔魚は海に下り、数ヶ月程度の間海やマングローブの生える水域で生活した後、川に上ってくる。

国内に分布しているタナゴモドキは分布の北限にあたっているが、近年の河川の護岸化や農地改良、圃場整備などの他、魚道のない堰堤やダム建設による河川の分断などによって生息地や個体数は著しく減少している。

沖縄島ではほぼ絶滅状態であると言われていて、石垣島や宮古島、西表島などでも多くの生息地がなくなり、生息数も減少していると言われている。
現在、タナゴモドキは環境省のレッドリストに絶滅危惧種(EN)として指定されているが、更なる個体数の減少が懸念されている。
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