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タチウオ スズキ目・タチウオ科



タチウオ


タチウオ 1タチウオ 2タチウオ 3タチウオ 4

標準和名 タチウオ (太刀魚、立魚)
分 類 スズキ目・サバ亜目・タチウオ科・タチウオ属
学 名 Trichiurus lepturus
英 名 Largehead hairtail / Atlantic cutlassfish / Pacific cutlassfish
分 布 世界の温帯から熱帯海域
生息環境 沿岸から大陸棚など
全 長 1~1.5m 程度
別名・地方名 タチノウオ(福岡・東京)、タチオ(鳥取)、シラガ(新潟)、ハクナギ・ハクウオ(仙台)、サワベル(福島)、その他・タチなど
備 考 背びれ・3棘130~135軟条、しりびれ・100~105軟条
タチウオは、世界の温帯から熱帯海域に広く分布している海水魚で、国内では北海道から沖縄まで、全国に広く分布しているが、本州中部より西に多い。

体は著しく長く、強く側扁している。
口は大きく、両顎には鋭い犬歯があり、上顎よりも下顎が長い。

背びれの基底は長く、背中全体に渡っているが、尾びれはなく、尾部の先が糸状に伸びている。
また、タチウオには腹びれもなく、鱗もない。

体色は青味を帯びたような銀白色で、斑などは見られない。
この銀白色は体表を覆うグアニン質で、模造真珠の材料などに使われることがある。

タチウオは沿岸域に多いが、汽水域でも見られるほか、水深550m辺りの大陸棚にも生息している。
多くは水深100~350m程の泥底近くに生息していて、朝夕や夜間には表層近くに浮き上がり採餌する。

群れで生活していて、主にアジイワシなどの魚類を食べるが、イカなどの軟体動物や甲殻類なども食べる。
獲物を狙うときは、頭を上にして、立ち泳ぎをしながら近くに寄ってくるものを待っているが、この時の様子から「立魚(タチウオ)」と付けられたと言われている。
しかし、一方では、銀白色に輝く長い体つきが太刀(タチ)に似ていることから「太刀魚」と付けられたとも言われている。

また、成魚は夜間には深場にいて、昼間は浮き上がり、朝夕などは表層辺りまで移動して餌を捕らえるが、幼魚では逆に、日中は水深100m程のところにいるが、夜間になると水面近くまで上がってくると言われている。

産卵期は6~10月頃と言われているが、産卵は温度に依存していて、熱帯地域では周年を通して見られるが、寒い地域では春と夏に行われる。

普通は全長1m程度だが、大きいものでは2mを超え、寿命は15年のものが知られている。

タチウオは大切な食用魚で、底引き網や延縄などによって獲られ、広く流通している。
白身の魚で、焼き物や刺身、煮付けなどに利用され、美味しいものとされている。
また、釣りの対象魚にもなっていて、船釣りや防波堤からの釣りが、各地で盛んに行われている。

尚、世界中に分布しているタチウオは一種とされているが、異論も多く、今後の研究が待たれている。