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イトウ サケ目サケ科



イトウ


イトウ 1イトウ 2イトウ 3イトウ 4

標準和名 イトウ (伊富魚、伊当、魚辺に鬼、糸魚)
分 類 サケ目・サケ科・サケ亜科・イトウ属
学 名 Hucho perryi
英 名 Japanese huchen / Sakhaline taimen
分 布 オホーツク海周辺など
生息環境 河川や湖沼など
全 長 1~1.5m 程度
別名・地方名 イト、イド、イトオ、チライ 、オペライペ 、トシリ、ヤヤッテチェプなど
備 考 背びれ・10~12軟条、しりびれ・9~13軟条
保護状況 環境省レッドリスト・絶滅危惧IB類(EN)
イトウはカラフトや千島南部、オホーツクなどに分布しているサケ科の魚で、国内では北海道の河川や湖沼などに生息している。

体は細長くやや側扁しているが、ほかのサケ科のものと違って、頭部は縦扁している。
脂ひれがあり、口は大きく、上顎の後端は眼の後縁を超える。

体色は青味がかった褐色や黒褐色などで、腹面は白っぽく、頭部や体側には小さな黒色の斑点が散在している。
鱗は小さな円鱗で、稚魚では7~10程のパーマークが見られるが、全長15cm程に成長すると不明瞭になり、それ以後では消失する。

イトウは他のサケ類のように降海性があり、サハリンなどのものはほとんど海に下るとされているが、イトウ属の中では珍しい。

北海道に分布しているものは、東部と北部の湿地帯のある湖沼や河川の中流から下流域に生息し、汽水域にも見られるが、ふつうは夏に中流域、冬には下流から汽水域に移動するとされている。
中には沿岸に向かうものもいるが、多くは汽水域に留まっている。

食性は肉食で、成魚は魚類を食べるが、大型ものはカエルやネズミ、ヘビなどのほか、水鳥の雛なども食べる。

北海道での産卵期は4~5月頃で、河川上流や支流などに遡上し、流れのある浅い砂礫底に産卵床をつくる。
この時期の雄は体後半が鮮やかな婚姻色をあらわすが、全長40cm程のものは僅かに赤味がかる程度である。

1回の産卵は雌雄のつがいによって行われ、複数の雄が参加することはない。
また、雌は5~6回に別けて産卵し、場所を変えて2~3ヵ所に産卵することが多い。
産卵は2~3日に渡って行われ、この間には相手を変えることも多い。

卵は直径6mm程の鮮やかな朱色で、およそ40日程で孵化する。
仔魚は1.5~1.7mm程で、しばらくは留まっているが、その後は川を下って浅瀬に定着し、カゲロウなどの水生昆虫や落下昆虫などを食べる。
15cm程に成長した頃には魚も食べるようになり、30cm頃からはほとんど魚食性になる。

また、イトウは産卵後も死ぬことなく、数年に渡って産卵を行い、雄は全長40cm程に成長する5~6年、雌は50~60cm程になる6~8年で成熟すると考えられている。
また、イトウは寿命も長く、自然下でも15~20年程は生きると言われている。

イトウは釣りなどで獲られ食用にされるが、広く流通することはない。
白身で美味しいものとして塩焼きやフライなどにされるが、川魚には寄生虫がいることがあるので、生食は避けられている。

イトウは国内最大の淡水魚で、かつては本州の北部にも分布していたが、河川の改修や湿地の農地化などによって生息域が減少し、本州では既に見られなくなっている。
現在は環境省のレッドリストで絶滅危惧種(IB類・EN)として指定されているが、生息数の回復や増加は望めない状態とも言われている。

一方では、イトウは大型になることもあって釣りの対象魚として人気があり、養殖なども行われ、河川への放流も行われている。
しかし、無差別な放流は生息地ごとの遺伝特性などに影響を与えることも懸念されている。