魚の調べ方


魚の調べ方
川や海に行って見つけた魚や、魚釣りなどで釣り上げた魚の中には、名前を知らないものもいると思います。
ハゼの仲間だとか、コイの仲間であるとか、大体のことは分かっても、やはり、名前の分からない魚を見ると気になってしまいます。

水族館などでしたら、展示している魚の写真と名前を紹介してくれているので、ほとんどの魚の名前を知ることができます。
しかし、海や川などで実際に見つけた魚を、いざ調べてみようとすると、これが案外難しいものです。
このページでは、簡単な魚の調べ方や、魚の種類をいくつかのタイプに別けて紹介しています。

下の図では、魚の特長のポイントを示していますが、この図で大体の様子が分かったら、タイプ別の魚を紹介している図を参考にして、お目当ての魚を調べてみてください。

普通、魚を調べるときは、その魚の全体の形や頭部の形などが、まず目に入りますが、背びれや尾びれなどの形にも注意してみます。

背びれについては、数やついている位置などを見ますが、尾びれは、先が丸いものや湾入しているもの、上下が伸びているものなどがいるので、その形を調べてみます。
また、各ひれの大きさにも注意しますが、腹びれなどは、付いている位置なども調べるようにします。

鱗の形や大きさなどもポイントですが、側線の様子などにも気をつけるといいと思います。
それと、体全体の色や模様などの観察も大切です。
しかし、色や模様は固体によって変化があり、中には、僅かな斑があるかないかで種類が違ってくるので、色や模様には、より注意することが大切だと思います。
できれば、いくつかの固体を比べてみて、体色や斑の特徴をつかむようにすればいいかもしれません。

あと、魚を見つけた場所も大切なので、淡水や海水などのほか、上流や下流、岩礁や砂底などの生息環境にもチェックしておきます。

以下には、魚のタイプをいくつかに別けて紹介しているので、上の図で全体の特徴をつかんだら、その特徴がよく当てはまるものを選んで、調べたい魚を探し出してみてください。

また、より詳しく魚を調べるには、各ひれの棘条数や軟条数を調べてみたり、縦に並ぶ鱗の数や側線上の鱗の数を数えたりと、いくつかの調べ方があります。
この場合、より多くの固体を調べないといけませんが、ここで紹介しているポイントなどを参考にすれば、多くの魚の名前を調べることができると思います。

但し、ここで紹介している魚のタイプは、特徴を強調しているので、実際には図と印象が違ったものや、説明文に当てはまらないようなものもいるので、その場合は、他のタイプなどを調べてみてください。
あと、各タイプに当てはまる種も紹介していますが、この他にも同じタイプのものがいますし、ここで紹介しているタイプに当てはまらないようなものもいるので、そのような場合は、「魚の分類別」で探してみてください。


●魚のタイプ別による調べ方

アジ型
体は側扁し、正面から見ると楕円形をしているものが多い。
また、尾柄(尾の付け根)は細くて、側線上に「ぜいご」と呼ばれる大きくて硬い鱗があるものが多い。

世界中の暖かい海に分布していて、このタイプのものは種類も多く、アジ科タカサゴ科イスズミ科フエダイ科ムツ科ヒイラギ科ユゴイ科などが、このタイプで、食用に利用されるものも多い。

イワシ型
体は細長く、側扁している。
普通は尾びれが上下に分かれていて、鱗は剥がれやすい。
また、腹びれは小さく、胸びれよりも後ろに付いている。

沿岸から外洋まで、広く分布していて、水面近くで群れをつくって回遊している。
このタイプは、ニシン科カタクチイワシ科ソトイワシ科カライワシ科のもので、キュウリウオ科などでもこのタイプが見られる。

ウナギ型
体は円筒状で、とても細長いので、調べるのも簡単なタイプ。
ふつうは腹びれがなく、鱗は小さくて、皮下に隠れているものも多い。
砂底や岩礁の岩穴や隙間などに生息していて、胸びれのないものもいる。

ウナギ科アナゴ科ウツボ科などがこのタイプで、ハモ科ウミヘビ科ヤツメウナギ科デンキウナギ科のほか、ゴンズイ科アカタチ科ニシキギンポ科オオカミウオ科のものもこのタイプ。

カレイ・ヒラメ型
調べるのが簡単なタイプで、体は著しく縦扁していて、成魚では、眼は片側に寄っている。
背びれやしりびれの基底は長く、ふつう尾びれの先は丸くなっている。
また、砂底や砂泥底に生息していて、体色を変化させ、周囲の色と似た色にすることができる。

カレイ科やヒラメ科、ウシノシタ科やササウシノシタ科などのものがこのタイプで、食用に利用されるものも多い。

カワハギ型
体は強く側扁していて、体高は高い。
背びれや腹びれには、鋭くて強い棘があり、口は小さいが、強い歯をもっている。
岩礁域やサンゴ礁域などに生息していて、あまり遊泳することはない。

このタイプは、カワハギ科モンガラカワハギ科などに属しているもので、ギマ科やベニカワムキ科などでも、このタイプが見られるが、調べるのは比較的簡単なタイプ。

キス型
体は細長く、やや側扁している。
背びれはふつうふたつに分かれていて、尾びれは湾入しているものが多い。
沿岸部の砂利底や砂底などに生息するものが多く、よく砂の中に潜り込む。

キス科のほか、ヒメ科やエソ科、トラギス科のものがこのタイプで、ニベ科や、口ひげをもっているヒメジ科などもこのタイプ。

サギフエ型
体は細長く、著しく側扁している。
また、腹びれは胸びれより後ろについていて、口は小さく、突き出ているなど、調べるのも容易なタイプ。

暖かい海に分布していて、沿岸の砂底近くで、群れをなして生活している。
サギフエ科ヘコアユ科などがこのタイプで、頭を下にして泳ぐ性質がある。

サケ型
体は細長く、側扁している。
鱗は小さく、腹びれは、胸びれよりも後ろについている。
また、背びれの後方には脂びれがあり、各ひれには棘がない。

サケ科のものがこのタイプで、季節的な回遊を行い、多くは、海と川を行き来することができる。

サバ・マグロ型
体は細長い紡錘形で、尾びれは大きな三日月のような形をしている。
鱗は小さく、腹びれは、胸びれの下についている。
暖かな外洋や沖合いに生息するものが多く、遊泳力に優れ、泳ぐ速度も速い。

サバ科のほか、シイラ科やマカジキ科、メカジキ科などもこのタイプ。

サンマ型
体は細長く、側扁している。
背びれとしりびれは、体の後半部についている。
尾びれは分かれているものが多く、沿岸から沖合いにかけてを群れで遊泳している。

サンマ科のものがこのタイプで、ダツ科やミズウオ科、ヤガラ科、イカナゴ科などもこのタイプ。

スズメダイ型
体は側扁していて体高が高く、楕円形をしている。
体の小さいものが多いが、体色が特徴的なものが多く、観賞用に利用されたりもする。

暖かい海の岩礁域やサンゴ礁域などで、群れで生活していて、スズメダイ科のほか、ウミタナゴ科テンジクダイ科ハタンポ科クロサギ科などもこのタイプ。

タイ型
体は側扁していて、鱗は大きくて硬い。
また、各ひれは大きく、鋭い棘をもっている。
沿岸からやや沖合いに生息していて、岩礁域などに多い。

タイ科スズキ科イサキ科シマイサキ科がこのタイプで、フエダイ科フエフキダイ科タカノハダイ科イスズミ科イットウダイ科などでもこのタイプが見られ、すばやく動き回ることができるものが多い。

タチウオ型
体はかなり細長く、強く側扁している。
背びれと腹びれの基底は長く、そのまま尾びれに繋がっているものや、尾びれが糸状に伸びているものなどがいる。
多くは世界中の暖かい海に分布していて、深海に生息しているものが多い。

タチウオ科のものがこのタイプで、他にも、リュウグウノツカイ科のものやフリソデウオ科のものがこのタイプ。

タツノオトシゴ型
体は鎧のような鱗で覆われていて、口は小さく、管のように突き出しているので、調べるのが容易なタイプ。
遊泳力はなく、尾は海草などに巻きつけることができ、体を固定している。
内湾などの海草の多いところに生息していて、プランクトンなどを食べる。

ヨウジウオ科のものがこのタイプで、他には、ウミテング科やカミソリウオ科などもこのタイプ。

タラ型
体は細長く、やや側扁している。
背びれは三つに、しりびれは二つに分かれているものが多いが、背びれとしりびれ、尾びれが繋がっているものも見られる。

冷たい海に生息しているものが多く、タラ科チゴダラ科のほか、アシロ科のものなどもこのタイプ。

チョウチョウウオ型
体は強く側扁していて、体高が高く、平たくて丸い感じがする。
各ひれは大きく、体色や模様の綺麗なものが多い。
暖かい岩礁域やサンゴ礁域などに生息していて、観賞用に利用されるものもいる。

チョウチョウウオ科のものがこのタイプで、他には、ツノダシ科カゴカキダイ科アイゴ科ニザダイ科マンジュウダイ科などもこのタイプ。

ハゼ型
体は細長く、縦扁している。
各ひれは大きく、尾びれの先は丸い。

沿岸域の岩礁底や砂泥底などに生息しているが、淡水域に生息するものもいる。
また、腹びれが吸盤状になっていて、岩などに取り付くことができるものもいる。
ハゼ科カジカ科のものがこのタイプで、コチ科やネズッポ科イソギンポ科などのほか、ホウボウ科フサカサゴ科などでもこのタイプが見られる。

ハタ型
体は細長く、各ひれは大きい。
背びれの基底も長く、尾びれは丸いものが多い。

岩礁域やサンゴ礁域などに生息していて、決まったところで生活している。
また、主に底性で、群れをつくることはない。
ハタ科アイナメ科のほか、フサカサゴ科などのタイプで、食用に利用されるものも多い。

フグ型
体はずんぐりとした楕円形で、尾びれの先は丸いものが多い。
背びれやしりびれは小さく、腹びれはない。
また、鱗が変化して棘になっているものや、鎧のようになっているものもいるが、調べるのが簡単なタイプ。

フグ科のほか、ハリセンボン科ハコフグ科などがこのタイプで、内臓などに毒を持っているものが多く、食用に利用することは少ない。
マツカサウオ科ダンゴウオ科のものなどもこのタイプに似ている。

べラ型
体は細長く、やや側扁しているものが多い。
正面から見ると、下が膨らんだ楕円形のような形をしている。
また、背びれやしりびれの基底は長くて、尾びれも大きい。

海草の多い岩礁域やサンゴ礁域などに生息していて、小さな群れで生活している。
べラ科ブダイ科アマダイ科などのものがこのタイプで、多くは、雌雄や幼老によって体色や斑などが異なっている。

ボラ型
体は細長いが、ずんぐりとしている。
背びれはふたつに分かれていて、ふつう鱗は大きく、尾びれの先は湾入しているものが多い。
沿岸の中層から水面近くで群れで生活しているが、川に上って成長するものもいる。

ボラ科のほか、スギ科やカマス科、トウゴロウイワシ科やコバンザメ科のものもこのタイプ。

マナガツオ型
このタイプのものは、体が強く側扁していて、体高が高い。
各ひれは大きく、尾びれはふつう湾入している。
世界中の暖かい海に分布していて、沿岸から外洋まで生息している。

マナガツオ科やエボシダイ科のものがこのタイプで、イボダイ科やマトウダイ科、カワビシャ科やギンカガミ科、シマガツオ科やアカマンボウ科などのほか、アジ科の中にもこのタイプが見られる。

マンボウ型
体は楕円形で、強く側扁している。
尾びれは変形していて、棒のように延びているものや、尾びれがないものもいるので、調べるのも簡単なタイプ。
背びれとしりびれは大きく、ほぼ上下の同位についている。

マンボウ科のものがこのタイプで、暖かい海に分布していて、外洋の海面近くで生活している。