メガネモチノウオ ススズキ目・ベラ科 |
標準和名 | メガネモチノウオ (眼鏡持之魚) | |||
分 類 | スズキ目・ベラ亜目・ベラ科・モチノウオ亜科・モチノウオ属 | |||
学 名 | Cheilinus undulatus | |||
英 名 | Humphead wrasse | |||
分 布 | インド洋や太平洋など | |||
生息環境 | 岩礁域やサンゴ礁域など | |||
全 長 | 1~2m 程度 | |||
別名・地方名 | ヒロサー・ヒロシー(沖縄)、ナポレオンフィッシュなど | |||
備 考 | 背びれ・9棘10軟条、しりびれ・3棘8軟条 | |||
保護状況 | 国際保護連合(IUCN)・絶滅危惧種(EN) | |||
メガネモチノウオはインド洋や太平洋などの熱帯域に分布しているベラの仲間で、太平洋では西太平洋からハワイ諸島やライン諸島などの中部太平洋にも分布している。 国内では琉球列島などの南日本で見られるが、インド洋でも紅海を含む広い海域に分布している。 ベラ科の中では最も大きく、大きいものでは体長が2mを超えるものも見られる。 体は側扁していて、体高は高い。 吻端は鈍く、下顎は上顎よりも長く、口は大きくて唇は厚い。 背びれとしりびれの後縁はややとがっていて、尾柄は高く、尾びれの後縁はやや丸い。 また、尾びれの基底には3枚の大きな鱗が見られ、背びれとしりびれの基底には鱗鞘(りんしょう/さや状の鱗)が発達している。 体側には網目状に見える横縞が多数見られるが、体色や体表の模様などは成長と共に変化する。 メガネモチノウオは他のベラ科のように性転換することが知られているが、幼魚は全て雌で、幼魚や雌は淡い青色や黄白色の地色に暗青色などの模様があり、雄では黄褐色から暗い緑色の体色になる。 いずれも眼を通る黒色の縦線が走っていて眼鏡をかけているように見えるが、雄では眼の上が隆起していてコブ状になっている。 老成した雄のコブは更に突出し、この形がかつてのフランスの軍隊帽に似ていることから、ナポレオンフィッシュなどとも呼ばれている。 寿命は長く、自然下で15年、飼育下では30年程の長さがあるとされている。 浅い岩礁やサンゴ礁外縁の潮通しのよい所に多く見られるが、水深100m辺りのところでも見られる。 普段は単独で生活し、魚や甲殻類、イカやタコなどを食べる。 また、夜はキュウセンなどのように砂の中には潜らず、岩陰などで休んでいる。 メガネモチノウオは釣りや潜水漁などで獲られ、南方などでは食用として利用される。 白身の魚で高級魚とされれるが、近年の生息環境の破壊や乱獲などのため、生息数は激減している。 現在は国際保護連合(IUCN)のレッドリストに絶滅危惧種(EN)として指定されている。 |
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