マハゼ ススズキ目・ハゼ科 |
標準和名 | マハゼ (真鯊・真沙魚) | |||
分 類 | スズキ目・ハゼ亜目・ハゼ科・ゴビオネルス亜科・マハゼ属 | |||
学 名 | Acanthogobius flavimanus | |||
英 名 | Yellowfin Goby | |||
分 布 | 日本や朝鮮半島、中国沿岸部など | |||
生息環境 | 内湾や汽水域、河口など | |||
全 長 | 20~25cm 程度 | |||
別名・地方名 | ゴズ(島根)、カマゴツ(鳥取)、フユハゼ(静岡)、カジカ(宮城)、グズ(北陸地方)、その他・ハゼ、シロハゼ、カワハゼなど | |||
備 考 | 第一背びれ・8棘、第ニ背びれ・1棘12~14軟条、しりびれ・1棘11軟条 |
マハゼは日本やロシアの沿海州、朝鮮半島や中国などに分布しているハゼの仲間で、国内では北海道から種子島まで広く分布している。 体は細長い円筒形だが、体後方は側扁している。 眼は小さく、上顎は下顎よりも僅かに長い。 腹びれは吸盤状になっていて、尾びれの後ろ縁は丸い。 また、鱗は櫛鱗で、後頭部や頬、鰓蓋の上には円鱗がある。 体色は灰褐色のような色合いで、背側は濃色をしているが、腹側は白っぽい。 体側には暗色の斑があり、縦縞のように見える。 第二背びれとしりびれには、黒い小さな点が線状に並んでいるが、尾びれの下方には斑がなく、灰色っぽい色をしている。 また、幼魚では第一背びれに黒っぽい斑があるが、成長と共に消失する。 マハゼは内湾や汽水域、河口などの砂底や砂泥底に生息していているが、幼魚は淡水域でも見られる。 汚染にも強く、都市部の河川や港湾などにも広く生息している。 底性の魚で、多毛類や甲殻類のほか貝類や小魚などを食べるが、藻類なども食べる。 産卵期は1~5月頃で、南のものほど産卵期が早い。 雄は内湾や汽水域の砂底などに細長い巣穴を掘り、雌はその壁面に産卵する。 卵は孵化するまでは雄に守られ、孵化した仔魚はプランクトンを食べながら浮遊生活を送り、全長15~20mm程に成長すると底性生活をするようになる。 夏頃には5~10cm程まで成長し、汽水域や淡水域などで見られるようになり、冬になると沿岸の深場へと移動する。 寿命は1~2年で、多くのものは1年で成熟し、産卵後に死亡するが、成熟が遅く、2年目に産卵して死亡するものもいる。 また、国内の多くのものは15~20cm程だが、大きいものでは25cmを超え、30cm近くに成長するものもいる。 マハゼは定置網などで漁獲され、食用に利用されている。 白身の魚で、天ぷらや唐揚げ、吸い物や煮付け、甘露煮などのほか、大きいものは刺身にも利用される。 ハゼの仲間の中ではもっとも美味しいとされていて、釣りの対象魚にもなっている。 しかし、かつてはマハゼの釣期には河川の両側に釣り人があふれるほどであったが、近年では河川の改修や港湾の整備などで生息数が減少していて、鮮魚としての流通も極めて少なくなっている。 この他、マハゼはアメリカ・カリフォルニア州やオーストラリアなどにも分布しているが、これは自然分布ではなく、稚魚期などの浮遊生活中に船舶のバラスト水の中に混ざり、移動・定着したものと考えられている。 |
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