クロホシマンジュウダイ

クロホシマンジュウダイ ススズキ目・クロホシマンジュウダイ科

クロホシマンジュウダイ

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標準和名 クロホシマンジュウダイ (黒星饅頭鯛)
分 類 スズキ目・ニザダイ亜目・クロホシマンジュウダイ科・クロホシマンジュウダイ属
学 名 Scatophagus argus
英 名 Spotted scat
分 布 インド洋や太平洋の熱帯域
生息環境 沿岸や汽水域など
全 長 35cm 程度
備 考 背びれ・10~11棘16~18軟条、しりびれ・4棘13~15軟条
クロホシマンジュウダイ科に属する魚は、インド洋や太平洋の熱帯から亜熱帯域に分布し、2属4種が知られている。
沿岸域の内湾や汽水域、マングローブ周辺などに広く生息しているが、日本では本種・クロホシマンジュウダイだけが分布している。

体は強く側扁し、銀白色の体に多数の黒色斑点が散在している。
幼魚ではオレンジ色の体色に数本の黒い横縞が走っているが、成長とともに縞は細かい斑点になる(写真右下・下段右2枚)。
また、斑の数は成長にともなって多くなり、成魚では背びれやしりびれ、尾びれなどに、黒い筋縞が見られる。

体つきはチョウチョウウオ科の魚によく似ているが、クロホシマンジュウダイは肉厚で、鱗はごく小さく、完全な側線をもつことなどが異っている。

また、クロホシマンジュウダイの稚魚は、頭部が甲羅のように硬くなったりするトリクチス期というチョウチョウウオ科の幼魚にも見られる幼生期があるが、チョウチョウウオ科よりも、むしろアイゴ科に近いとされ、背びれやしりびれの棘には毒腺があり、弱い毒を分泌することが知られてる。

クロホシマンジュウダイは、日本から東シナ海、南シナ海、珊瑚海、ミクロネシアなどにかけての西太平洋や、アラビア海からベンガル湾、オーストラリア北西海岸にかけてのインド洋に分布している。
国内では、主に琉球列島より南に分布しているが、高知県のほか、幼魚は和歌山や長崎県でも見られる。
やや濁った浅い内湾などに生息しているが、汽水域でも見られ、小魚や甲殻類、多毛類などのほか、藻類なども食べる。

幼魚は夏から秋にかけて汽水域や淡水域に現れ、しばらくは河口のオオカナダモなどが繁茂する場所で成長する。

クロホシマンジュウダイは流通することはないが、他の魚に混じって、刺し網などで獲れることがあり、食用になる。
刺身や塩焼き、ムニエルなどにすると美味しいと言われている。
また、東南アジアでは大切な食料資源とされているほか、国内では幼魚を観賞用として利用することもある。

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