クマノミ ススズキ目・スズメダイ科 |
標準和名 | クマノミ (隈魚) | |||
分 類 | スズキ目・ベラ亜目・スズメダイ科・クマノミ亜科・クマノミ属 | |||
学 名 | Amphiprion clarkii | |||
英 名 | Clark's anemonefish | |||
分 布 | 日本近海 | |||
生息環境 | 浅場のサンゴ礁域など | |||
全 長 | 10~15cm 程度 | |||
別名・地方名 | トンボダイ(和歌山)、ハチマキ、チンチクリ(高知)、ヤハゲ(愛媛)など | |||
備 考 | 背びれ・10棘15~17軟条、しりびれ・2棘13~14軟条 |
クマノミはスズメダイの仲間で、本州中部より南のサンゴ礁などに生息しているが、同属のものは太平洋やインド洋の温帯域から熱帯海域に広く分布している。 体は側扁し、体色は黒色や黒褐色などで、吻から腹びれにかけてと胸びれはオレンジ色や濃黄色をしている。 体側には眼の後ろ部分と体側中央、尾びれの付け根に白色の太い横縞があるが、この内、体側中央部にある白帯は、背びれ中央の凹んだ辺りを通る。 吻は短く、吻端にはやや上向きの小さな口がある。 尾びれには切込みがあり、雄では黄色や淡黄色で、雌では白い。 また、吻から腹びれにかけてのオレンジ色は、アラビアハタゴイソギンチャクなどに共生するものは、同化して黒っぽくなるものも見られる。 クマノミは日本近海の浅いサンゴ礁域などでよく見られる普通種で、群れで生活し、エビ等の小型の甲殻類や藻類を食べる。 他の同属と同様、大型の捕食魚から身を守るために、サンゴイソギンチャクやハタゴイソギンチャク、センジュイソギンチャク等と共生する習性があるが、これは幼魚の時からイソギンチャクと接することで免疫を付けたもので、生得のものではない。 また、クマノミは一方的にイソギンチャクを利用するのではなく、時には死んだ魚などをイソギンチャクに運んでくることも知られている。 クマノミはこの様な共生する習性だけでなく、ベラのように性転換を行うことも知られている。 雄性先熟で、生まれたものはすべて雄であるが、群れの中の雌(体が最も大きい固体)が死んだりすると、体の一番大きな雄が雌に性転換する。 繁殖は、この性転換した雌と次に体が大きな雄とがつがいになって行われるが、残りのものは繁殖に参加しない。 産卵期は夏で、イソギンチャクの近くの岩場や貝殻に産卵し、ふ化するまでの間は雌雄で卵の世話をする。 寿命は長く、自然下で10年、飼育下では20年を超えると言われている。 クマノミを食用にすることはないが、美しい魚なので、観賞用に獲られることがある。 |
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