トミヨ ストゲウオ目・トゲウオ科 |
標準和名 | トミヨ | |||
分 類 | トゲウオ目・トゲウオ科・トミヨ属 | |||
学 名 | Pungitius spp. | |||
英 名 | Amur stickleback | |||
分 布 | 日本や朝鮮半島、ロシア極東域など | |||
生息環境 | 川や湖沼など | |||
全 長 | 5~8cm 程度 | |||
別名・地方名 | トンギョ(北海道)など | |||
備 考 | 第一背びれ・7~10棘、第二背びれ・8~13軟条、しりびれ・1棘7~11軟条 | |||
保護状況 | 環境省レッドリスト・絶滅危惧種 |
トミヨの仲間はハリヨなどと共にトゲウオ科に属している冷水性の淡水魚で、ユーラシアや北アメリカなどの北極圏を取り巻くように分布している。 国内には本種(トミヨ)のほかエゾトミヨ、ムサシトミヨなどが分布しているが、本種は朝鮮半島やアムール川流域、千島列島からカムチャッカ半島にかけて分布していて、国内では石川県辺りより北や北海道などで見られる。 体は側扁していて細長く、体高は低くて尾柄も細長い。 トゲウオ科に見られる鱗板は胸から尾柄にかけて並んでいて、第一背びれは鰭膜で繋がらず、ノコギリ状の棘になっている。 流れの穏やかな河川の中流から下流域、湖沼などに生息し、水草の多い川辺などに見られる。 また、トミヨは汽水域や沿岸域にも見られ、主に水生昆虫や小型の甲殻類などを食べる。 産卵期は4~6月頃で、この時期の雄は体色が真っ黒になる婚姻色をあらわす。 雄は川岸の水草などの枝に、植物繊維と腎臓から出す粘液によってゴルフボール大の丸い巣をつくり、求愛ダンスによって雌を誘うことが知られている。 また、雌が巣の中で産卵した後、雄が放精するが、雄は複数の雌を誘うと言われている。 卵は7~10日で孵化するが、雄は仔魚が巣を離れるまで世話をする習性がある。 以前は本種をトミヨ、イバラトミヨ(キタノトミヨ)などと分類していたが、現在では北海道や東北、朝鮮半島、ロシア極東の淡水域に分布する「淡水型」、北海道東部の汽水域に分布する「汽水型」、秋田・山形の淡水に分布している「雄物型」の三群に別けられ、学名は決まっていないが、それぞれが独立種として考えられている。 トミヨはきれいな冷水の環境を好むが、特に淡水型では水質変化や河川の改修などによる生息地の減少などによって、個体数が減少している。 現在、絶滅危惧種、或いは純絶滅危惧種や絶滅の恐れのある地域個体群などとして、環境省のレッドリストに指定されている。 写真はいずれも「トミヨ淡水型」 |
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