ハリセンボン フグ目・ハリセンボン科 |
標準和名 | ハリセンボン (針千本) | |||
分 類 | フグ目・フグ亜目・ハリセンボン科・ハリセンボン属 | |||
学 名 | Diodon holocanthus | |||
英 名 | Porcupinefish | |||
分 布 | ほとんどの暖かい海 | |||
生息環境 | 主に水深の浅い岩礁域など | |||
全 長 | 40cm 程度 | |||
別名・地方名 | イガフグ(山口)、イラフグ(高知)、スズメフグ(福井)、バラフグ(愛媛・高知)、ハリフグ'(和歌山)など | |||
備 考 | 背びれ・13~15軟条、しりびれ・13~15軟条 | |||
ハリセンボンは体表に多くの棘があることで知られているフグの仲間で、広くはハリセンボン科に属しているものを指して使われている。 本種は茨城辺りより南の日本近海や朝鮮半島のほか、ほとんど世界中の暖かい海に分布していて、北緯37度から南緯39度辺りの海域に分布している。 体はいわゆるフグ型で、腹びれはもっていない。 体表には多くの棘があり、英名の「Porcupine(ヤマアラシ)」もこれから付けられている。 また、歯はフグのように癒合していて、上下の顎にひとつずつの歯をもっている。 体色はふつう褐色や灰褐色などのような色合いで、暗色のまだら模様があるが、ひれには斑などは見られない。 外敵などに対しては、ほかのフグの仲間のように、水や空気を吸い込んで、大きく体を膨らませて威嚇する。 この時、体の棘を立てた様子は、まるでイガグリのように見える。 体の棘は鱗が変化したもので、かなり鋭い。 この長くて硬い棘は有効な防御手段となっているが、それでも、サメやマグロ、カジキなどの大型魚に襲われることがある。 しかし、同じハリセンボン科の中でもイシガキフグなどは、体を膨らませることは出来るが、体表の棘を立てたりすることができないものもいる。 普通は水深35m位までの浅い岩場やサンゴ礁域などに生息しているが、水深100~200m程の深さのところでも見られる。 幼魚などは小さな群れをつくっているが、成魚はふつう単独で生活していることが多い。 動作はゆったりとした感じがするが、思ったよりも素早く泳ぐことができ、危険が迫ったときなどかなり速く泳ぐ。 主に貝類や甲殻類、軟体動物などを食べるが、ハリセンボンの歯は丈夫で、ウニなども硬い殻を噛み砕いて食べてしまう。 大きいものでは全長50cm程に成長し、体の大きいものだと小魚なども食べる。 寿命は自然下で3~5年程度と言われているが、飼育下ではこれよりも長い。 ハリセンボンは無毒とされているので時に食用に利用されるが、あまり流通はしていない。 定置網などに大量にかかることがあるが、棘が鋭いので選別に苦労するようである。 皮を取るとあまり身は残らないが、白身の魚で味噌汁などにすると結構美味しい。 また、食用のほか、膨らんだものを乾燥させて、「フグ提灯」として土産物や観賞用にされることもある。 しかし、東カリブ海のものからはシガテラ中毒の報告があるので、地域によっては食用に利用する場合注意が必要である。 ハリセンボン科の魚類へ / このページの先頭へ |