アユカケ カサゴ目・カジカ科 |
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標準和名 | アユカケ (鰍) | |||
分 類 | カサゴ目・カジカ科・カジカ属 | |||
学 名 | Cottus kazika | |||
分 布 | 本州、四国、九州 | |||
生息環境 | 河川の中流域など | |||
全 長 | 15~20cm 程度 | |||
別名・地方名 | アラレガコ(福井県)、ガコ・ガマ(丹後:混称)、その他・ゴリ(混称)など | |||
保護状況 | 環境省レッドリスト・絶滅危惧II類(VU) | |||
アユカケは本州の神奈川県より西の太平洋側、秋田県より南の日本海側、また四国や九州北部に自然分布しているカジカ科の両側回遊魚で、産卵期には海に下る。 普通は河川の中流域の砂礫底などに生息しているが、河川の改修などによって遡上出来なかったものは下流域や汽水域にも生息する。 また、青森県や千葉県、茨木県などにも自然分布していると言われているが、瀬戸内海沿岸部では定着しているかははっきりとしていない。 体色は灰褐色や淡褐色などで、体には3~4本の暗色の横縞があり、鱗はない。 頭部は縦扁しているが、体は後ろ部分がやや側扁している。 胸びれはカジカと同じで吸盤状にはなっておらず、外観もよく似ているが、アユカケは頭が大きく、鰓ぶたの上に一対の大きい棘と、その下に三対の小さい棘がある。 大きいものだと25~30cm程になるものも見られ、「鰓ぶたの後縁にあるこの棘で、アユを引っ掛けて捕らえる」ということから名づけられたと言われている。 しかし、実際にはそのような事はなく、大きな口で小魚などを丸呑みにすると言われている。 また、アユカケは「カマキリ」とも呼ばれるが、その由来は定かでない。 産卵期は12~3月で、成魚は海へ下って沿岸部の岩礁帯などで産卵する。 卵はふ化するまで雄が卵塊を保護するが、ふ化した稚魚はしばらくは沿岸部で生活し、体長が3cm前後に成長すると川へ溯上する。 幼魚の間は水棲昆虫などを餌にして、1年で6~9㎝程に成長する。 ふつう、自然下での寿命は3年程で、2年で12㎝、3年で13~17㎝程度に成長する。 食用としても美味しい魚だと言われているが、アユカケは低い堰などでも遡上が困難で、ダムが出来たところでは、それより上流域には生息しない。 近年は河川の改修などによる生息条件の悪化によって生息数が激減していて、河川の下流域や汽水域、沿岸の岩礁帯の開発が進んでいるところなどではまったく見られない。 現在は環境省のレッドリストに絶滅危惧II類(VU)として指定されている他、自治体などによっても「希少野生生物」や「絶滅危惧種」に指定され保護されている。 また、福井県九頭竜川はアユカケの生息地として国の天然記念物として指定されている。 カジカ科の魚類へ / このページの先頭へ |