ギンブナ コイ目・コイ科 |
標準和名 | ギンブナ (銀鮒) | |||
分 類 | コイ目・コイ科・コイ亜科・フナ属 | |||
学 名 | Carassius auratus langsdorfii / C. carassius langsdorfi | |||
英 名 | Gin-buna | |||
分 布 | 日本や朝鮮半島、中国など | |||
生息環境 | 平野部の河川や池、沼など | |||
全 長 | 25~30cm 程度 | |||
別名・地方名 | ヒワラ(琵琶湖)、マブナ、ヒラブナ、フナなど | |||
備 考 | 背びれ・1棘15~18軟条、しりびれ・1棘5軟条・鰓耙数41~57(普通48) | |||
ギンブナは台湾、朝鮮半島、中国大陸に広く分布しているが、日本においても北海道から九州、琉球列島に至る国内の全域に自然分布している。 フナ類の中ではもっとも普通に見られ、マブナやヒラブナとも呼ばれ、在来の淡水魚の中では馴染みが深い魚とも言える。 体色は、背側がオリーブ色を帯びたような褐色で、体側は銀白色をしている。 一見してコイに似た感じがするが、フナ類には口ひげがなく、背びれの基底も短い。 オオキンブナとも似ているが、ギンブナは体高が高く、鰓耙数もオオキンブナの36~45に比べて多い。 また、ギンブナは体高は高いが、しりびれの起点付近より後で、体高が急にすぼまっているほか、ギンブナは大きいものでは30cm程に成長するが、全体にオオキンブナよりも小さい。 河川や平地の沼や池などに生息し、河川では下流域の淀みや支流との合流地点に多く見られる。 水質の汚染にも強く、動物プランクトンのほか、藻類や底性動物などを食べる。 産卵期は4~6月頃で、大雨が降ったあと水草の多い浅場に集まり、水草の茎や葉に、直径1.4mm程の粘着卵を産み付ける。 卵は4~5日で孵化し、成長は早く、一年で10cm程に成長する。 寿命は長く、自然下でも10年以上の寿命をもっている。 ところで、ギンブナは雄が少なく、関東などでは極めて希であることが知られているが、これはギンブナが雌の配偶子だけで子どもつくる雌性発生が関係している。 ギンブナの卵はウグイやオイカワ、ドジョウなどの精子で受精させても、卵は正常に発生し、雌親と同じ子どもが生まれる。 つまり、精子は卵の核と融合することなく、発生のきっかけを与えるだけに止まっていて、遺伝的なものを伝えることはない。 この雌性発生によって、ギンブナでは雌の数が圧倒的に多くなり、キンブナなどに比べると増殖率も高くなっている。 現在はギンブナを食用とすることはほとんどなくなったように思われるが、洗いや甘露煮、塩焼きなど、以前は身近な食用魚でもあった。 現在は地域的なものになっていて、琵琶湖の鮒寿司などもニゴロブナを使っていて、ギンブナではない。 コイ科の魚類へ / このページの先頭へ |