ワタカ コイ目・コイ科 |
標準和名 | ワタカ (腸香) | |||
分 類 | コイ目・コイ科・カワヒラ亜科・ワタカ属 | |||
学 名 | Ischikauia steenackeri | |||
英 名 | Wataka | |||
分 布 | 自然分布は琵琶湖・淀川水系 | |||
生息環境 | 湖岸などのヨシ場など | |||
全 長 | 30cm 程度 | |||
別名・地方名 | ワダカ、ウマウオなど | |||
備 考 | 背びれ・3棘5~7軟条、しりびれ・3棘12~15軟条、側線鱗数・64~72 | |||
保護状態 | 環境省レッドリスト・絶滅危惧ⅠB類 (EN) | |||
ワタカ(腸香)はコイ科に属する淡水魚で、ワタカのみでワタカ属を構成している。 日本の固有種で、自然分布は琵琶湖・淀川水系であるが、ハスなどと同様で、琵琶湖産アユの放流種苗に混入し、関東や北陸地方、奈良、岡山、島根(宍道湖)、山口、福岡(遠賀川)など、各地に分布を広げて定着している。 体は細長く側扁し、頭は小さく、後頭部は隆起している。 口は上向きで小さく、口ひげはない。 また、腹びれとしりびれの間も側扁していて、隆起線をつくっている。 尾びれの後縁は鋭く切れ込んでいて、ワタカの尾びれの基底は日本産コイ科のなかでは最も長い。 また、側線は著しく下方に曲がっていて、鱗は剥れやすい。 体色は銀白色で背部は緑青色をしているが、産卵期には頭部や体の側面、下あごなどに追星が現れる。 主な生息場所は、湖岸などの浅い水草の茂った所やヨシ場などで、河川の下流域や「わんど」など、流れがあまりない水路などにも多くみられ、川を上ることはほとんどない。 幼魚はミジンコ類や水生昆虫・付着藻類を食べるが、成長するにつれて水草などを好んで食べる。 また、雑食性で、成魚は小魚なども食べる。 産卵期は水温が22~25℃になる6~8月頃で、降雨後の増水時に湖岸の浅場や水田などに入って、直径1mm程の卵を水草に産みつける。 産卵は夜間に行われるが、卵は2~3日でふ化し、1年で6~7㎝、2年で15~20㎝に成長する。 完全に成長すると30cm程になり、寿命は5~6年程度と考えられている。 中層にいることが多く、フライフィッシングなどで釣るが、ワタカは小骨が多くて美味しくはなく、食用にされる事はほとんどない。 奈良県内の池で古くからウマウオ(馬魚)の名で知られてるものもワタカが移入されたものであるが、近年は西日本を中心にワタカの咽頭歯の化石が発見されていて、琵琶湖・淀川水系の固有種ではないとの見方も広がっている。 しかし、主な生息地である琵琶湖でも個体数は激減していて、現在は環境省のレッドリストに絶滅危惧種・ⅠB類として指定されている。 コイ科の魚類へ / このページの先頭へ |