カタクチイワシ ニシン目・カタクチイワシ科 |
標準和名 | カタクチイワシ (片口鰯) | |||
分 類 | ニシン目・ニシン亜目・カタクチイワシ科・カタクチイワシ亜科・カタクチイワシ属 | |||
学 名 | Engraulis japonicus | |||
英 名 | Japanese Anchovy | |||
分 布 | 日本から台湾、南シナ海など | |||
生息環境 | 沿岸から沖合い、内湾など | |||
全 長 | 14~18cm 程度 | |||
別名・地方名 | ホタレイワシ(高地)、タレクチ(山陰)、シコイワシ(東京)、その他・アオイワシ、コシナガ、シラス、セグロ、イワシなど | |||
備 考 | 背びれ・12~14軟条、しりびれ・13~18軟条 | |||
カタクチイワシは日本各地や朝鮮半島、台湾からフィリピンにかけての南シナ海などに分布しているイワシの仲間で、マリアナ諸島などでも見られる。 体は細長い円筒形で、吻は突き出ていて、口は下位についている。 口は大きく、眼の後縁をはるかに超え、上顎は下顎よりも長い。 眼には脂瞼が発達していて、背びれは体のほぼ中央にあり、しりびれは背びれの基底よりも後ろにある。 体色は、背側が暗い青色で、腹側は白い。 また、鱗は円鱗で、剥れやすい。 沿岸から沖合いにかけて大きな群れで回遊していて、遊泳しながら口を大きく開けて、プランクトンや魚卵などを食べる。 時に水深400m程のところでも見られるが、ふつうは水深5~10m程の表層部を遊泳している。 産卵期は春と秋に多く見られるが、ほとんど周年に渡って行われる。 卵は分離浮性卵で、成長は早く、1年未満に成熟する。 寿命は2~3年、長くて4年程度と言われている。 カタクチイワシは漁獲量が多く、定置網や地引網、巻き網などで獲られ、広く流通している。 イワシの仲間は鮮度が落ちるのが速いが、新鮮なものは刺身の他、天ぷらや煮付け、酢の物などに利用される、幼魚はしらす干などに利用されるほか、様々な加工品や肥料などにも利用されている。 また、アジなどと同様、大切な食用魚であるため地方名は実に多いが、マイワシやウルメイワシと共に、単にイワシと呼ばれることも多い。 このほか、カタクチイワシは大型魚やカモメなどの海鳥、イルカなどの食料にもなっていて、食物連鎖の上でも重要な位置にある。 10cm程のものは港湾や防波堤などにも集まり、簡単に釣り上げることが出来ることから、家族連れの釣りなどでも人気がある。 尚、カタクチイワシの上顎は長いが動かすことができず、口を開けると下顎だけが動くことから名前が付けられているとなど言われている。 |