マイワシ ニシン目・ニシン科 |
標準和名 | マイワシ (真鰯) | |||
分 類 | ニシン目・ニシン亜目・ニシン科・ニシン亜科・マイワシ属 | |||
学 名 | Sardinops melanostictus | |||
英 名 | Japanese sardine / Japanese pilchard | |||
分 布 | オホーツク海から台湾、中国沿岸など | |||
生息環境 | 沿岸から沖合いなど | |||
全 長 | 20~25cm 程度 | |||
別名・地方名 | イワシ、ユワシ、ヒラ、ヒライワシ、ナナツボシなど | |||
備 考 | 背びれ・13~21軟条、しりびれ・12~23軟条 | |||
マイワシは国内でも大切な食用魚で、日本各地のほかオホーツク海や朝鮮半島東部、台湾や中国沿岸などの西太平洋に分布している。 体は円筒形で細長いが、腹部は側扁していて、断面は逆三角形のような紡錘形をしている。 下顎は上顎よりわずかに長く、体色は、側面から腹にかけては銀白色で、背側は青や青緑色をしている。 側線はなく、普通は体側に青黒い斑が一列に縦列しているが、時には、その上下にも斑があるものや、斑が全くないものも見られる。 また、各鰭には棘がなく、鱗は円鱗で、剥がれやすい。 マイワシは沿岸の浅海から遠洋にかけて、大群をなして遊泳する生活をしている。 上層から中層を群遊しているが、水深200m位辺りまで見られる。 幼魚は橈脚類やアミ類などの動物プランクトンを食べるが、成魚は植物性のプランクトンを採餌し、口と鰓蓋を時折大きく開けながら泳ぎ、鰓耙でプランクトンを濾過して食べる。 また、マイワシの群れは春から夏にかけて北上し、秋から冬にかけては南下する季節回遊をすると言われているが、中には同じ場所に留まる群れもあるとされている。 産卵期は地域によって異なり、鹿児島辺りでは12月、館山では3~6月頃と、南のものほど早い。 卵は直径1.2~1.4mm程の分離浮性卵で、雌は40000~120000個程の卵を産むと言われている。 卵は2~3日で孵化し、生まれたばかりの仔魚は全長2mm程で、3~4cm程に成長するまでは内湾などの浅い海底で過ごし、その後、外洋に移動する。 2年程で成熟し、この頃には12~15cm程に成長している。 寿命は5~6年程度と言われていて、大きいものでは30cm程に成長する。 マイワシは重要な水産資源で、巻き網や引き網、定置網などで漁獲され、広く流通している。 但し、水揚げされるとマイワシは傷みやすく、刺身や塩焼きなど、鮮魚として利用されるものは少なく、干物や缶詰、練り製品(蒲鉾や竹輪)などに利用されることが多い。 また、マイワシは他の魚などに比べても漁獲量が多く、食用のほか、飼料や肥料としも利用されている。 防波堤などからの釣りも盛んで、群れで泳いでいるので、サビキ釣りなどでは数多くあがる。 しかし、近年は過多の漁獲の為、漁獲量が減少しているほか、マイワシの漁獲量は長い周期で増減しているとも言われている。 マイワシはアジやサバ、カツオなどのほか、イカやサメ類、イルカやクジラ、更には海鳥などにとっても重要な食料源となっているので、マイワシの減少が、これらの生物へ与える影響についても考えられている。 尚、マイワシはカリフォルニアマイワシ(S. sagax)の亜種とされることもあるほか、スズキやボラなどのように出世魚で、10cm前後のものをコバ(小羽)、15cm程のものをチュウバ(中羽)、20cm前後に成長したものをオオバ(大羽)などと呼ぶことがある。 |