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スズキ スズキ目・スズキ科



スズキ


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標準和名 スズキ (鱸)
分 類 スズキ目・スズキ亜目・スズキ科・スズキ属
学 名 Lateolabrax japonicus
英 名 Japanese sea bass
分 布 日本や朝鮮半島など
生息環境 沿岸や内湾など
全 長 80~100cm 程度
別名・地方名 コッパ、デキ、マタカ、オオマタ、シーバスなど
備 考 背びれ・12~15棘12~14軟条、しりびれ・3棘7~9軟条
スズキは北海道南部辺りから日本各地に分布していて、日本海側、太平洋側共に広く分布しているほか、朝鮮半島の黄海沿岸などにも分布している。

体は細長くて、側扁している。
口は大きく、上顎よりも下顎が長く、背びれの基底は長い。

尾びれは湾入していて、体色は銀白色で、背部は緑色を帯びたように黒っぽい。
幼魚や若いものには背側や背びれに小さな黒点が散在するものも見られるが、ほとんどのものは成長と共に消失する。

ヒラスズキとはよく似ているが、ヒラスズキは眼の後縁辺りから背部にかけて盛り上がっていて、体高が高く、尾柄も高い。
尾びれの湾入もスズキに比べて浅く、背びれの軟条は15~16(稀に14)であることが多い。
また、若いものはスズキと一緒に見られるが、大きいものは磯に多い。

しかし、これまではスズキとして扱われていたタイリクスズキとはよく似ていて、判別するのは極めて難しい。
タイリクスズキはホシスズキとも呼ばれるように、普通は体側に黒点が散在しているが、スズキにも黒点が散在しているものも見られ、黒点のないタイリクスズキも見られる。
また、有孔側線鱗数や鰓杷数もスズキと重複していて、簡単に判別することは難しい。

スズキは沿岸や内湾、汽水域などに生息しているが、河川の淡水域でも見られる。
大型のものは淡水域ではほとんど見られないが、若いものは河口から50km以上も入ってくることがある。

昼夜共に活動し、幼魚は小型の甲殻類などを食べるが、成魚は主に魚類を食べ、甲殻類や多毛類、軟体動物など、さまざまな動物質のものを食べる。

このほか、スズキはブリボラなどと同じ出世魚で、成長と共に呼び名が変わることで知られている。
関東では20~30cm程のものをセイゴ、40~60cm程に成長したものをフッコ、それ以上の大型のものをスズキと呼んでいるが、関西ではセイゴ、ハネ、スズキなどと呼ばれている。
また、その他の各地でも、成長に応じてさまざまに呼ばれている。

産卵期は地域によって差があるが、10~3月頃の秋から冬にかけて行われる。
卵は直径1.3mm程の分離浮性卵で、磯近くの藻場などで産卵する。

孵化した仔魚は、冬から春にかけて河口や汽水域などで見られ、1年で20cm、2年で30cm、3年で40cm程に成長し、寿命は10年程度と考えられている。

スズキは大切な食用魚で、定置網や巻き網、釣りなどで獲られ、広く流通している。
白身の魚で、刺身や洗い、塩焼きや煮物、ムニエルなど、さまざまに利用され、淡白で美味しいものとされている。
また、スズキはクロダイメジナ、カサゴなど共に、釣りの対象魚としても人気があり、各地で一年を通して盛んに行われている。