ブリ

ブリ ススズキ目・アジ科

ブリ

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標準和名 ブリ (鰤)
分 類 スズキ目・スズキ亜目・アジ科・ブリモドキ亜科・ブリ属
学 名 Seriola quinqueradiata
英 名 Japanese amberjack / Five-ray yellowtail
分 布 北西太平洋など
生息環境 沿岸からやや沖合い
全 長 1m 程度
別名・地方名 アオ(東北)、メジ・マルゴ・スベリ(鳥取)、ハナジロ(九州)、その他・イナダ、ツバス、ハマチ、メジロなど
備 考 第一背びれ・5~6棘、第二背びれ・1棘29~36軟条、しりびれ・2離棘1棘17~22軟条
ブリは北西太平洋に分布しているアジの仲間で、東シナ海から台湾、朝鮮半島を経てカムチャツカ半島、東はハワイ諸島辺りまで分布していて、国内では琉球列島をのぞく日本各地に分布している。
回遊性の大型魚で、大きいものでは全長150cm程のものも知られている。

体は細長い紡錘形で、僅かに側扁している。
吻は円錐形で、体全体に小さな円鱗をもっている。
体色は背が暗い青色で、腹は銀白色、体側中央には黄色の縦帯が見られる。
第一背びれの棘条は、30cm位までの若魚では6本だが、成長すると5本になる。

ヒラマサとはよく似ているが、ブリの上顎の上後角は角張っているほか、ヒラマサの胸びれが腹びれより短いのに対して、ブリの胸びれと腹びれは同じ長さなどの違いがある。
また、分布域も違っていて、ヒラマサは世界の温帯から熱帯域に広く分布している。

カンパチともよく似ているが、カンパチはブリよりも側扁していて体高も高く、体色も黄色や赤味を帯びているほか、上顎の上後角は丸くなっている。

普通は群れで遊泳し、外洋の水深100m位の中層・低層辺りに生息している。
また、ブリは季節によって生息域を変える回遊魚で、夏は沿岸に近づいて南から北に移動し、晩秋頃からは再び南に下って外洋に移動するが、南方の温暖な海域では回遊しないものもいる。
性質は神経質で、驚いたりすると群れごと深場に潜ってしまう。

産卵期は南方のものほど早く、東シナ海の中・南部では2~3月、九州西方では4~5月頃で、水温19~21℃辺りのところで行われる。
卵は直径1.2~1.4mmの分離浮遊卵で、受精後2日程で孵化する。

稚魚は流れ藻などについて浮遊生活をおくり、小型の甲殻類などを食べるが、成長するにつれて流れ藻から離れ、沿岸で小魚を食べるようになる。
やがて外洋へ出て回遊をはじめ、イワシアジなどの魚のほか、イカなどの頭足類などを食べるようになる。
1年で30cm、2年で50cm、3年で65~70、5年で80cmを超えるほどに成長し、寿命は6~7年程と考えられている。

ブリは大切な食用魚であるだけに地方名がかなり多い。
また、スズキボラなどのように、成長とともに名前が変わる出世魚でもあるため、呼び名も様々に変化し、関東地方ではワカシ・ワカナ・ワカナゴ(10~15cm)、イナダ(30~40cm)、ワラサ(60cm程度)、ブリ(80cm以上)、関西ではツバス(10~15cm)、ハマチ(20~40cm)、メジロ(50~60cm)、ブリ(80cm以上)、九州北部ではワカナゴ(10~12cm)、ヤズ(15~20cm)、ハマチ(30~40cm)、メジロ(50~60cm)、ブリ(80cm)、オオウオ(1m程度)などと呼ばれている。

名前の由来は諸説があるが、漢字表記の「鰤」は、「師走(12月)」に脂がのって美味しくなる、「師」は大型魚を表すなどと言われている。

ブリは若魚を含め大切な食用魚で、巻き網や定置網、刺し網などで漁獲されている。
各地で養殖(ハマチ養殖)も行われていて、年間を通じで広く流通している。
刺身や寿司種、照り焼きなどに利用されるが、養殖は藻雑魚(モジャコ)と呼ばれる稚魚を捕らえて種苗としている。

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