カンパチ ススズキ目・アジ科 |
標準和名 | カンパチ(間八、勘八) | |||
分 類 | スズキ目・スズキ亜目・アジ科・ブリモドキ亜科・ブリ属 | |||
学 名 | Seriola dumerili | |||
英 名 | Greater amberjack / Ruderfish | |||
分 布 | 世界の温帯から熱帯海域 | |||
生息環境 | 沿岸からやや沖合い | |||
全 長 | 1m 程度 | |||
別名・地方名 | アカバラ(鹿児島)、アカバナ(関西・九州)、ニリ(宮崎)、アカバネ(香川)、アカハナ(和歌山・高知)、アカイオ(北陸)、カンパ(東京)、ヒヨ(神奈川)、その他・シオ・チギリキ・ネリなど | |||
備 考 | 第一背びれ・6~7棘、第二背びれ・1棘29~35軟条、しりびれ・2遊離棘1棘18~22軟条 |
カンパチは地中海を含む全世界の温帯から熱帯海域に分布する大型のアジで、北緯45度辺りから南緯28度辺りにかけて広く分布している。 国内でも北海道より南で見られ、太平洋では西太平洋や中部太平洋に多い。 大西洋では、メキシコ湾や北アメリカ、アフリカのセネガルからガボン辺りにかけて多く、インド洋ではオーストラリア西部に多く見られる。 体は長い楕円形で側扁し、尾柄は細く、尾びれは二叉している。 上顎主骨の後端は眼の中央下に達し、後端上部の角は丸くなっている。 体色は背側が黄褐色や淡い紫色のような色合いで、腹側は銀白色をしている。 体側にはぼんやりとした黄色の縦帯があり、幼魚や若いものでは、頭頂から眼を通り上顎に達する黒褐色の帯が見られる。 この帯を正面から見ると「八」の字のように見えることから名前が付けられているが、この帯は成長するにつれて不明瞭になる。 ブリとはよく似ているが、カンパチはブリよりも側扁していて体高も高く、体色も黄色や赤味を帯びているほか、カンパチの上顎主骨の後端上部の角は丸くなっているが、ブリでは角ばっている。 また、カンパチはアジ科の中ではヒラマサなどに次ぐ大きさで、ブリよりも大きく成長し、大きいものでは全長1.5m程に成長し、中には全長1.9m程のものも知られている。 カンパチは、水深20~70m辺りの沿岸域で単独や群れで生息しているが、高速で泳ぎ、遠洋魚に似た生活をしていて、魚類や甲殻類、イカやタコなどの頭足類も食べる。 日本近海での産卵期は3~8月頃で、直径1.9mm程の分離浮遊卵を産む。 仔魚は沖合の表層で浮遊生活をし、稚魚になると流れ藻や流木などの浮遊物につき、動物プランクトンを食べながら成長する。 また、国内ではスズキやボラなどのように、大きさによって呼び名が変わる出世魚で、 関東ではショッコ(40cm以下)→シオゴ(60cm位まで)→アカハナ(80cm位まで)→カンパチ(80cm以上)、関西ではシオ(60cm位まで)→カンパチ(60cm以上)などと呼ばれている。 カンパチは刺網や定置網などで漁獲され、食用に利用されている。 大物釣りの対象魚にもなっていて、刺身や焼きもの、煮つけなどに利用され、美味しいものとされている。 また、国内では高級魚として扱われ、天然物の他、養殖も行われている。 しかし、大型のものはシガテラ毒による中毒が報告されているので、注意が必要と言われている。 |
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