サケ(シロザケ) サケ目・サケ科 |
標準和名 | サケ(シロザケ) | |||
分 類 | サケ目・サケ科・サケ亜科・サケ属 | |||
学 名 | Oncorhynchus keta | |||
英 名 | Chum salmon / Salmon | |||
分 布 | 北太平洋や北極海の一部など | |||
生息環境 | 河川や沿岸域など | |||
全 長 | 50~70cm 程度 | |||
別名・地方名 | シロサケ、シロ、シャケ、サケノイオ、イヌマス、そのほか時期によって、トキシラズ、メジカ、アキザケ、アキアジ、ホッチャレなど | |||
備 考 | 背びれ・10~14軟条、しりびれ・13~17軟条 | |||
サケは日本や朝鮮半島、オホーツク海やベーリング海、アラスカからカナダ、アメリカ合衆国など、北極海の一部や北太平洋に広く分布しているが、国内では北海道全域や利根川辺りより北の太平洋側、島根辺りより北の日本海側などに分布している。 また、サケは産卵のために河川に遡上することもあり、地域や季節などによって様々な呼び名があるが、「サケ」という名称はイトウやイワナ、カラフトマスやサツキマス、ベニザケやギンザケ、オショロコマなど、サケ科のものの総称として用いられることもあり、混同を避けるため、本種を指して「シロサケ」と呼ぶこともある。 体は細長い楕円形で、側扁している。 脂鰭があり、尾びれの後ろ縁は湾入している。 また、鱗は小さく、全ての鰭に棘がない。 体色は銀白色で、背側は青黒い色をしているが、産卵期には緑色を帯び、暗色の斑がある婚姻色になる。 サケは、産卵のために河川に遡上する時期以外は沿岸域に生息していて、海洋では小魚などを食べるが、幼魚はプランクトンや水生昆虫などを食べる。 産卵期は分布域によって異なるが、9~1月頃に見られ、産卵のために河川上流へと上っていく。 この時、サケは自分の生まれた川へ溯上をする母川回帰が知られていて、ほとんどものは同じ川へと上っていく。 産卵期の雄は、上下の顎が延びて曲がり「ハナマガリ」などと呼ばれるが、雌ではこのような事はない。 川を上っているときは雌雄共に餌を採らず、1日に14km程の距離を移動すると言われている。 産卵場所に着くと、雌は砂底や砂利底などに、深さ50cm程の産卵床をつくる。 この産卵床は長さ1m、幅50cm程の楕円形で、尾びれをうまく使ってつくられる。 雌は2~3回ほどに分けて700~7000個程の卵を産卵するが、雄は雌の産卵後すぐに射精して、雌は砂や小石で卵を覆ってしまう。 また、雌雄共に複数のものと交配することがあり、雌は再び別の産卵床をつくる。 卵は水温8~10℃で60日程で孵化し、仔魚は15mm程の長さがある。 孵化後、50日程の間は卵嚢の栄養分を吸収して育ち、この頃には5cm程に成長している。 その後、仔魚は群れになって海へと下っていき、夏頃には河口付近で稚魚が現れるようになる。 海洋域では、国内のものは日本海からオホーツク海、ベーリング海、アラスカ湾といった水温の低い海域を回遊しながら成長していく。 3~5年程で成熟し、多くのものは自分が生まれた河川へ上って行き、産卵を行う。 産卵後の親は餌を採ることなく、ほとんどのものが数日の間に寿命が尽きて死んでしまう。 サケは、国内では馴染みの深い魚であると共に大切な食用魚で、定置網や刺し網、釣りなどで獲られ、広く利用されている。 汁物や鍋物、焼き物や揚げ物など、幅広く用いられていて、乾物や燻製、缶詰などの加工品としても利用されている。 卵もイクラや筋子として利用され、サケは皮から骨まで、ほとんど全てが利用されている。 但し、皮と身の間に寄生虫がいることが多いので、刺身などの生食は避けたほうがよく、一度冷凍・解凍を経たものを利用するのがよい。 また、サケの身は赤い色をしているが、サケは白身の魚で、餌となるオキアミなどの甲殻類に含まれている色素から赤い色になり、カニやエビの甲羅が赤いのもこの色素よるものである。 この他、サケは人工孵化や放流なども行われているが、サケの漁獲は厳しく管理されていて、許可がない限り、河川での漁獲は禁止されている。 |