トビハゼ ススズキ目・ハゼ科 |
標準和名 | トビハゼ(跳鯊) | |||
分 類 | スズキ目・ハゼ亜目・ハゼ科・オキスデルシス亜科・トビハゼ属 | |||
学 名 | Periophthalmus modestus | |||
英 名 | Mudskipper | |||
分 布 | 日本や朝鮮半島、中国、台湾など | |||
生息環境 | 汽水域の干潟など | |||
全 長 | 10cm 程度 | |||
別名・地方名 | ピョンピョンハゼ(高知)、ネコムツ(九州)、カッチャン、カッチャムツ(佐賀)、カタハゼ・ムツゴロ(熊本)など | |||
備 考 | 第1背びれ・11~17棘、第2背びれ・1棘10~12軟条、しりびれ・1棘10~12軟条 | |||
備 考 | 環境省レッドリスト・準絶滅危惧種(NT) |
トビハゼは、名前のように、泥の上を飛び跳ねる魚としてよく知られているが、国内では東京湾より南の各地から沖縄島 に分布し、国外では朝鮮半島や中国、台湾に分布している。 ほかのハゼ類と同様、体は側扁し細長い。 体色は灰褐色や褐色などで、横縞に見える暗色の斑がある。 また、口は小さく、鰓穴も小さい。 眼は上方に突出し、両眼の間隔は狭い。 飛び出したような眼は、干潟を見渡すのに適していると考えられているが、眼下はにくぼみがあり、眼は引き込むことが出来る。 腹びれは吸盤状で、胸びれの基底の筋肉が発達していて、胸びれを自由に動かすことができる。 トビハゼは内海や汽水域の、泥の多い干潟などに生息するが、この胸びれをうまく使って、干潟の上を這いまわることが出来る。 また、尾びれを使って、飛び跳ねることで移動することも出来るが、トビハゼは空気中でも皮膚呼吸をすることが出来るので、かなりの時間を陸上で過ごすことが出来る。 冬は巣穴に潜って冬眠するが、4~10月頃には、干潟で活動する姿が見られる。 特に、干潮時には活発に活動し、泥の上を這いまわって甲殻類や多毛類などの小動物を捕らえる。 満潮時には水中に没するが、中には飛び跳ねながら、海岸の石や流木などの上に這い上がるものもいて、まるで水を嫌っているかのように見える。 干潟の上を飛び跳ねたりすることについてはムツゴロウと似ているが、トビハゼの体はムツゴロウよりも小さく、背びれの棘も長くない。 産卵期は6~8月で、この時期には、雄は泥中に巣穴をつくり縄張りはる。 巣穴はほぼ垂直に掘られ、雄は雌を呼び込むため、飛び跳ねて求愛行動を示す。 ふ化した仔魚は海中に泳ぎ出て、しばらくの期間は浮遊生活をするが、全長15mm程度に成長すると干潟へ向かう。 トビハゼは、かつては地域によっては食用とされていたが、近年では、埋め立てなどによる干潟の減少などによって、生息数が減少している。 現在は環境省のレッドリストに準絶滅危惧(NT)として指定されている他、多くの自治体でも絶滅危惧種などに指定され、保護が行われている。 |
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