イトヒキフエダイ ススズキ目・フエダイ科 |
標準和名 | イトヒキフエダイ | |||
分 類 | スズキ目・スズキ亜目・フエダイ科・イトヒキフエダイ亜科・イトヒキフエダイ属 | |||
学 名 | Symphorus nematophorus | |||
英 名 | Chinamanfish | |||
分 布 | 日本や西太平洋、インド洋など | |||
生息環境 | サンゴ礁域や岩礁域など | |||
全 長 | 35~40cm 程度 | |||
別名・地方名 | ヤナクレー、イヌバー(いずれも沖縄)など | |||
備 考 | 背びれ・10棘13-16軟条、しりびれ・3棘8~9軟条 |
イトヒキフエダイは日本から台湾、南シナ海を経て、アラフラ海や珊瑚海、オーストラリア北西部のインド洋などに分布している大型の海水魚で、国内では和歌山南部や高知、鹿児島、琉球列島などに分布している。 本種だけでイトヒキフエダイ属を形成していて、ふつうは35~40cmほどのものが多いが、大きいものは全長1m程、体重は13kgを超えるほどに成長する。 体は側扁し、体高は高い。 頭部前縁は丸く、口は大きくて上顎の後端は眼の中央部に達している。 また、頭部には眼から前鼻孔辺りまで深い溝がある。 若魚では背びれ第3~6軟条が糸状に伸び、これが和名の由来になっているが、成長するに伴って短くなる。 体色は、若魚では体の背側が褐色や黄色などで、腹側は黄色い色をしている。 また、頭部と体側には8~12本の青色の縦帯が見られ、イレズミフエダイに似た感じがしないでもないが、イレズミフエダイのように尾柄には黒色の斑などは見られない。 成魚の体色は赤褐色で、体側面には多数の淡い横帯があり、腹びれやしりびれ、尾びれの下縁は黄色い色をしている。 しかし、同一個体でも環境などにより体色変化が著しく、全体に淡い色や青味を帯びた色、灰色っぽい色など、変化がある。 イトヒキフエダイは、沿岸の岩礁域やサンゴ礁域に生息していて、水深50m辺りまで見られる。 水深20m辺りからのやや深場を好み、水深100m辺りでも観察されている。 ふつうは単独で生活していて、主に魚類を食べる。 イトヒキフエダイは磯釣りで釣り上げられたり、一本釣りや突きなどで漁獲され、食用に利用されている。 赤みを帯びた白身の魚で、刺身や塩焼き、煮付けなどに利用され、大変美味しいものとされている。 しかし、ニューカレドニアからオーストラリアのクイーンズランド州沿岸のものではシガテラ中毒の報告があり、オーストラリアでは販売が禁止されている。 この為、大型のものを食用にする際は注意した方がよい。 尚、イトヒキフエダイは、環境省のレッドリストに準絶滅危惧種(NT)として指定されている。 |
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