キチヌ ススズキ目・タイ科 |
標準和名 | キチヌ (キビレ) | |||
分 類 | スズキ目・スズキ亜目・タイ科・クロダイ属 | |||
学 名 | Acanthopagrus latus | |||
英 名 | Yellowfin seabream | |||
分 布 | 日本や西太平洋、インド洋など | |||
生息環境 | 沿岸や内湾の岩礁域など | |||
全 長 | 35~50cm 程度 | |||
別名・地方名 | キビレ、カワダイなど | |||
備 考 | 背びれ・11棘11軟条、しりびれ・3棘8軟条 |
キチヌは東シナ海から南シナ海、アラフラ海や珊瑚海などの西太平洋の他、アフリカの東海岸では少ないが、アラビア海やベンガル湾を含むインド洋などにも分布している。 また、国内では本州中部辺りより南に分布しているが、南西諸島では見られないとも言われている。 体は楕円形で側扁し、頭部の背縁はやや盛り上がっている。 体色は青味を帯びたような黄褐色で、各鱗の基部は暗い黄色をしていて、これが縦縞のように見える。 クロダイやヘダイなどとは似ているが、胸びれや腹びれ、しりびれや尾びれの下部などは黄色をしていて、キビレなどの別名でも呼ばれている。 また、キチヌの体側の鱗は少し大きく、側線鱗数も43~48と、クロダイの48~56に比べると少なくなっている。 水深50m程の沿岸や内湾などの岩礁域に生息しているが、河口や汽水域などでも多く見られ、淡水域にも入ってくる。 雑食性で、クロダイと同様、貝類や多毛類のほか、小魚や軟体動物、海藻など、様々なものを食べる。 このほか、産卵期はクロダイが春に行われるのに対して、キチヌは秋に産卵し、分離浮性卵を産卵する。 また、クロダイと同様、キチヌの幼魚は全て雌雄同体で、体長16~24cmの頃は雄として生活し、27cmを超える成魚ではほとんどが雌に性転換する。 キチヌは定置網や刺し網などで獲られ、食用として流通している。 白身の魚で、他のタイ科の魚と同じように扱われ、刺身の他、塩焼きやムニエルなどに利用され、美味しいものとされている。 また、キチヌはクロダイなど共に磯釣りや防波堤などの釣りでもよく上がるが、クロダイよりは数は少ない。 |
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