ネンブツダイ ススズキ目・テンジクダイ科 |
標準和名 | ネンブツダイ (念仏鯛) | |||
分 類 | スズキ目・スズキ亜目・テンジクダイ科・テンジクダイ亜科・テンジクダイ属 | |||
学 名 | Apogon semilineatus | |||
英 名 | Half-lined cardinal | |||
分 布 | 日本や朝鮮半島、フィリピンなど | |||
生息環境 | 沿岸の岩礁域など | |||
全 長 | 8~12cn 程度 | |||
別名・地方名 | アカジャコ・シカラ(和歌山)、スジイセジ(鹿児島)、イシモチ(混称・長崎)など | |||
備 考 | 第一背びれ7棘・第二背びれ1棘9軟条、しりびれ2棘8軟条、側線鱗数25 |
ネンブツダイ(念仏鯛)は日本近海や朝鮮半島、台湾、フィリピンなどに分布している温帯性の海水魚で、国内では千葉より南の太平洋側、能登半島より南の日本海側などに広く分布している。 体は側扁し、体色は赤みを帯びてオレンジ色ぽく、胸びれの後ろ辺りは黄色っぽい。 体側上方には黒色の細い縦帯があり、上唇から鰓蓋の後縁にかけても、目を通る黒い縞が見られる。 また、背びれは2基に分かれていて、尾柄と第一背びれの先にも、黒色の斑がある。 一見して、同じテンジクダイ科のクロホシイシモチとよく似ているが、ネンブツダイとは黒い縞のあり方が違っている。 特に、クロホシイシモチでは体側上方にある黒色の縦帯が見られないので、見分けることが出来る。 ネンブツダイは浅場の内海から、水深100m程の岩礁域に生息するが、砂泥底に多く見られる。 水温の低い冬場には沖合いに移動するが、それ以外の時期では、沿岸の磯や漁港などでもよく見られ、藻場などの海草の多いところにも生息している。 群れで生活し、プランクトンの他、ゴカイ類や小型の甲殻類、オキアミなどの動物質を食べる。 昼間も活動するが、夜間の方が活発に行動する。 繁殖期は6月から9月頃で、この時期には雌雄が群れから離れ、縄張りを形成する。 卵は1週間ほどで孵化するが、この間、卵塊を口の中に入れて保護する習性がある。 卵を保護するのは、普通は雄であるが、時に雌も保護するとされている。 ネンブツダイは他の魚に混じって底引き網などで漁獲されるが、防波堤や磯などの釣りでも、これを狙って釣るのではないが、よく釣れる。 体が小さい上、頭には耳石をもっているので、普通は食用にはしないが、食べるときには頭を切り落として調理する。 この為、食べられる部分は少ないが、肉は白身で、味噌汁やから揚げなどにされるほか、かまぼこなどの原料にされることがある。 |
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