ミナミメダカ ダツ目・メダカ科 |
標準和名 | ミナミメダカ (南目高) | |||
分 類 | ダツ目・メダカ亜目(アドリアニクチス亜目)・メダカ科(アドリアニクチス科)・メダカ亜科・メダカ属 | |||
学 名 | Oryzias latipes | |||
英 名 | Japanese killifish / Japanese rice fish / Japanese medaka | |||
分 布 | 若狭湾辺りから西の日本海側、岩手から南の太平洋側など | |||
生息環境 | 平野部の池沼や水田など | |||
全 長 | 2~4cm 程度 | |||
別名・地方名 | オキンチャ(京都)、コマンジャコ(大阪)、メザカ(東京)、ギンメ(群馬)、アブラコ(高知)、その他・コメエト、メタカなど | |||
備 考 | 背びれ・6~7軟条、しりびれ・15~21軟条 | |||
保護状況 | 環境省レッドリスト・絶滅危惧Ⅱ類(VU) | |||
国内に分布するメダカは従来1種とされ、大きく北日本集団と南日本集団に別けられていたが、遺伝子的な違いから、現在は南日本集団のものをミナミメダカ、北日本集団のものをキタノメダカとして、それぞれ独立種として扱われている。 また、学名は、従来の「メダカ」の学名(Oryzias latipes)をミナミメダカが引き継ぎ、キタノメダカの学名は新設され、Oryzias sakaizumiiとなっている。 体はやや細長くて側扁し、眼は大きくて高い位置についている。 また、体は側扁しているが頭部は縦扁していて、口は吻先にあって小さい。 体色はふつう淡褐色で、背びれは体中央より後にあり、しりびれの基底は長い。 側線はなく、雄の背びれには欠刻が見られ、しりびれは平行四辺形に近い形をしている。 キタノメダカとの違いは、ミナミメダカでは体側の黒色網目模様が見られないほか、キタノメダカの雄の背びれの欠刻はふつう深く、ミナミメダカは浅いとされているなどが挙げられるが、個体差が多く、外見だけで判別するのはきわめて難しい。 ミナミメダカは日本海側では若狭湾辺りから西、太平洋側では岩手から南の各地に広く分布しているが、由良川水系などでは中流域でキタノメダカと同所的に分布しているほか、信濃川水系や阿武隈川水系などでは、流域によって両種の棲み分けが見られる。 主に平野部の池沼や水田、小川などの細流に生息して、動物プランクトンや落下昆虫、付着藻類などを食べるが、ミナミメダカは、東日本型、山陰型、東瀬戸内型、西瀬戸内型、北部九州型、有明型、薩摩型、大隅型、琉球型の九つの地域集団に別けられていて、今後の研究によっては新たな独立種や亜種が確認されることも指摘されている。 しかし、いずれにしても国内のメダカは、近年の水田などの改修や外来種であるカダヤシとの競合などによって生息数が減少していて、ミナミメダカ、キタノメダカの両種共に、環境省のレッドリストに絶滅危惧種(VU)として指定されている状況になっている。 また、保護を目的とした移入なども行われているが、放流の際、異なる地域集団のものを放流すれば、遺伝的な交雑が起こる懸念も指摘されている。 メダカ科の魚類へ / このページの先頭へ |