イネゴチ

イネゴチ カサゴ目・コチ科



イネゴチ


イネゴチ 1イネゴチ 2イネゴチ 3イネゴチ 4

標準和名 イネゴチ (稲鯒)
分 類 カサゴ目・コチ亜科・コチ科・イネゴチ属
学 名 Cociella crocodilus / Cociella crocodila / Platycephalus crocodilus
英 名 Crocodile flathead
分 布 西太平洋やインド洋など
生息環境 沿岸や沖合いの砂底など
全 長 40~50cm 程度
別名・地方名 ガッチョ(関西)、メゴチ(東京・神奈川)、その他・コチ、アジナゴチ、オニゴチ、スゴチ、ハリゴチなど
備 考 背びれ・9棘11軟条、しりびれ・11軟条
イネゴチは、東シナ海から珊瑚海にかけての西太平洋に分布しているコチの仲間で、国内では新潟辺りから南の日本海側、秋田辺りから南の太平洋側に分布している。
インド洋にも分布していて、ベンガル湾からアラビア海、紅海のほか、アフリカ東海岸まで見られる。

体は細長く、前半部は強く縦扁しているが、尾部になるにつれてやや側扁している。
特に、頭部は強く縦扁していて、体幅は鰓蓋の辺りが最も広い。
眼は幾分飛び出たような感じで、口は大きく、下顎は上顎よりも突き出ている。

体色は、腹側は白っぽいが、背側は茶色っぽい色をしている。
また、頭部を含め、体の背側には多数の小さな暗褐色や黒っぽい斑があり、幅広い何本かの暗色の横帯が見られる。

一見するとマゴチやメゴチに似ているが、イネゴチの第一背びれの後方の縁は黒く、眼の下の隆起線上には3本の棘が見られる。

底性の魚で、沿岸から水深100m位までの砂底や泥底などに生息しているが、水深300m辺りまで見られる。
体色や模様は砂底などに溶け込んだ色をしていて、獲物を待ち伏せ、小魚や甲殻類などの動物質のものを食べる。
産卵期は5~9月頃で、大きいものでは50cm程に成長する。

イネゴチは定置網や底曳網、釣りなどで獲られ、食用に利用されている。
白身の魚で、焼きものや天ぷら、煮付けなどのほか、練り製品にも利用されるが、鮮度の良いものは刺身などにも利用される。
旬は春~夏で、美味しいものとされている。

尚、ネズミゴチなども名前に「コチ」と付いていて、メゴチなどの別名で呼ばれることがあるが、ネズミゴチはネズッポ科(スズキ目)に属していて、コチ科(カサゴ目)に属するものとは別種である。
また、コチの仲間はカサゴ目・コチ科に属しているが、スズキ目に新たにコチ科を設けて、スズキ目・コチ科とする場合もある。


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