アオウオ

アオウオ コイ目・コイ科



アオウオ


アオウオ 1アオウオ 2アオウオ 3アオウオ 4

標準和名 アオウオ (青魚)
分 類 コイ目・コイ科・ソウギョ亜科・アオウオ属
学 名 Mylopharyngodon piceus
英 名 Black carp
分 布 ロシアから中国、ベトナム北部など
生息環境 河川の下流域や湖沼など
全 長 60~120cm 程度
備 考 背びれ・7~9軟条、しりびれ・8~10軟条
アオウオはアムール川流域から中国南部、ベトナム北部などにかけて分布するコイ科の淡水魚で、大きいものでは全長180cm、体重は100kg程にも成長する。
中国ではソウギョやハクレン、コクレンと共に「四大家魚」として珍重されているが、南部に多く見られる。

一見するとコイに似ているが、体は少し側扁していて細長く、背びれの基底も短い。
頭部の背縁は少し尖り、背びれは小さいが、腹びれは大きい。

側線は完全で、腹びれ上方でわずかに湾曲して、尾柄の真中まで伸びている。
また、口は長く伸ばすことができ、口ひげはもっていない。
体色は、名前のように青味を帯びているが、全体に黒っぽく、腹部は灰白色をしている。

平野部を流れる大きな河川の下流域や湖沼などに生息していて、水深5~30m程のところに見られる。
ソウギョよりは底性で、巻き貝やイガイ、マシジミなどの貝類を主に食べるが、幼魚は水生昆虫や動物プランクトンなどを食べ、12cm程に成長すると貝類なども食べるようになる。

アオウオは白身の魚で、中国などではソウギョやコクレン、またイェンツーユイ(エンツユイ)などと共に食用に利用されている。
養殖も行われていて、鍋物や煮物、洗いなどに利用され、美味しいものとされているほか、薬用にも利用されている。

繁殖期は5~8月頃で、河川上流に遡上し、梅雨時の大雨のあとに産卵すると考えられている。
国内では霞ヶ浦・北浦や利根川・江戸川水系などに移入定着しているが、アオウオの卵は、ソウギョの卵と同じように、下流に流れ落ちていきながら孵化するので、短い河川では汽水域や海に入ってしまい、塩分によって卵は死滅してしまう。

この為、北海道の石狩川や群馬の榛名湖などでも見つかっているが、繁殖は成功していないと言われている。
また、霞ヶ浦への定着は1956年に確認されたとされているが、これは1878~1943年頃の間に、ソウギョの種苗に混入して移入したものと考えられている。

アオウオが及ぼす国内の在来種や生態系への影響ははっきりとしていないが、寿命は長く、15年以上と言われていて、影響がある場合は長期に及ぶことが心配されている。

尚、アオウオは現在、環境省の要注意外来生物として指定されているが、米国やメキシコ、アルメニアやブルガリアなどのヨーロッパのほかトルクメニスタンやウズベキスタンなどにも移入していて、一部の国では在来種などへの影響が起きた可能性が指摘されている。


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