イェンツーユイ (エンツユイ) コイ目・サッカー科 |
標準和名 | イェンツーユイ | |||
分 類 | コイ目・サッカー科・イェンツーユイ亜科・イェンツーユイ属 | |||
学 名 | Myxocyprinus asiaticus | |||
英 名 | Chinese sucker fish / Chinese high-fin banded shark | |||
分 布 | 中国 | |||
生息環境 | 河川や湖など | |||
全 長 | 80~100cm 程度 | |||
イェンツーユイは中国固有の淡水魚で、アジアでは唯一サッカー科に属している。 エンツユイ、エンツイなどとも呼称される大型の淡水魚で、全長は70~100cm程だが、更に大きいものでは全長1.3m程、体重40kg程に成長する。 唇は厚くて、口はやや下向きに開いている。 体は側扁しているが、体形や体色は成長と共に変化し、幼魚や若いものでは茶色っぽい体色で、ふつうは暗色の太い横帯が三本ほど見られる。 また、体高が高くて各ひれが大きいが、背びれは基底が長く、特に大きくてよく目立つ。 この特徴的な背びれから、英名では「Chinese high-fin banded shark」と呼ばれることもある。 一方、成魚では体高が低くなり、全体に細長くなって、所謂コイ型のようになる。 背びれも体に対して高くなくなり、体色も赤褐色やオリーブグリーンのような色合いで暗くなり、体側に幅広い暗色の縦帯が見られる。 イェンツーユイは長江の上流から中流域やその支流、湖などに生息していて、主に無脊椎動物や水生昆虫、落下昆虫などを食べるが、藻類などの水生植物やデトリタスなども食べる。 また、幼魚はゆっくりと流れる岩の多い浅い水域に多いが、成長と共に深いところへ移動していく。 産卵は3~4月頃に見られ、雌は水が澄み、水位と温度が一定であるような流れのある浅瀬に卵を産む。 卵は一週間ほどで孵化し、成長は早く、1年で20cm程度、3年で50cm程に成長し、この頃には幼魚に見られる帯も消失している。 5~6年で60cm程に成長し、この頃には性的に成熟する。 また、寿命は長く、25年以上生きることが知られている。 国内ではエンツユイと呼称されることの方が多いようだが、中国ではソウギョやコクレン、アオウオなどと共に、イェンツーユイは食用に利用されていて、成長が早いこともあり、養殖も広く行われている。 しかし、近年の河川汚染や河川改修、ダム建設や乱獲などによって、自然下のものは生息数が減少し、一部地域では既に絶滅していると言われている。 現在、中国では純絶滅危惧種として指定し、保護している。 コイ科の魚類へ / このページの先頭へ |