コクレン コイ目・コイ科 |
標準和名 | コクレン | |||
分 類 | コイ目・コイ科・ハクレン属 | |||
学 名 | Hypophthalmichthys nobilis | |||
英 名 | Bighead carp | |||
分 布 | アジア東部 | |||
生息環境 | 河川や湖沼など | |||
全 長 | 50~100cm 程度 | |||
別名・地方名 | レンギョ | |||
備 考 | 背びれ・3棘7軟条、しりびれ・1~3棘12~14軟条 | |||
コクレンは揚子江水系から中国南部、ラオスやベトナムなどのアジア東部に分布しているのコイ科の淡水魚で、中国ではソウギョ、ハクレン、アオウオと共に四大家魚のひとつとされている。 体は細長くて側扁しているが、頭部は縦扁している。 眼は体の中心線よりも下方についていて、口は小さく、口ひげはない。 腹側には、腹びれの基部からはじまる竜骨状の隆起がある。 成魚の体色は黒ずんだような色合いをしていて、体側には暗色の不規則な雲状の斑が見られる。 淡水魚としては大型で、平均すると60cm程度言われているが、大きいものでは全長140cmを超える。 ハクレンとはよく似ていて、共にレンギョとも呼ばれているが、体色はハクレンよりも黒っぽく、頭部も大きい。 また、腹側に見られる竜骨状の隆起は、ハクレンでは頭部後方からはじまっている。 コクレンは距離のある大きな河川の下流域や湖沼などに生息していて、主に動物プランクトンを食べるが、藻類なども食べる。 繁殖期は6~8月中旬頃で、産卵は梅雨時の大雨の後、流れの緩やかな河川などで行われる。 産卵された卵は、ソウギョの卵などと同様、流れとともに下流に落ちて行きながら孵化するため、産卵期には上流域へ遡っていく。 これは、短い河川では卵が汽水域や海に入ってしまい、塩分によって卵が死滅する為で、コクレンは距離が短い河川では見られない。 卵は黄色がかった透明で、水温25℃前後で、およそ2日後に孵化するとされている。 寿命は長く20年のものが報告されている。 中国ではソウギョやハクレン、アオウオやイェンツーユイ(エンツユイ)などと共に重要な食用魚で、大規模な養殖も行われている。 煮物や鍋物などに利用されていて、釣りの対象魚にもなっている。 この他、国内では、食糧増産を目的としてソウギョ、 ハクレンなどを明治期に導入したとき、それに混入してきたと考えられている。 現在は、霞ケ浦や北浦、利根川や 江戸川水系で自然繁殖が確認されていて、淀川でも記録されている。 しかし、関東のものは移入定着しているが、淀川のものの繁殖の実態は不明で、定着していないと考えられている。 また、コクレンはタイやインドネシア、ミャンマーやカンボジア、フィリピンなどの東アジアの各地のほか、ロシアや中央アジア、中東からヨーロッパ、更には北米やアルゼンチンなどにも移入されていて、ほぼ世界的に導入されている。 しかし、繁殖環境などが特殊であることから、多くは人工繁殖や継続的な輸入によって頼っている。 一方、国内での影響はよくわかっていないが、いくつかの国では、コクレンの導入後に生態系への悪影響が報告されている。 コイ科の魚類へ / このページの先頭へ |