カマツカ

カマツカ コイ目・コイ科



カマツカ


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標準和名 カマツカ (鎌柄)
分 類 コイ目・コイ科・カマツカ亜科・カマツカ属
学 名 Pseudogobio esocinus
英 名 Kamatsuka
分 布 日本や朝鮮半島など
生息環境 川の中・下流域やその支流など
全 長 15~20cm 程度
別名・地方名 カワキス(大阪)、スナモチ(奈良)、アサガラ(高知)、その他・スナホリ、スナモグリなど
備 考 背びれ・3棘7軟条、しりびれ・3棘6~7軟条、側線鱗数40~43
カマツカはコイ科に属する淡水魚で、体つきは同科のズナガニゴイに似た感じもする。

体は細長くて円筒形に近いが、前部が縦扁し後部は側扁している。
頭は長く、口は腹面についていて、くちびるには小さな乳頭状の突起物が多数あり、吸盤状になっている。
また、口には一対の短いひげをもっている。

全長は15~20cm程度で、体色は淡褐色や黄褐色をしている。
体側には円形の、背中線上には鞍状の暗い斑があるが、それぞれ縦に並んでいる。
腹面は淡黄色や白色で、臀びれ以外のひれには褐色の小さな斑点があり、側線はほぼ直線状に体の中央をはしっている。
全体を見ると保護色のようになっていて、砂利底などにいるとかなり見つけにくい。

自然の分布域は岩手県・山形県より南の本州、四国、九州、壱岐などで、朝鮮半島西部から中国北部にも分布しているほか、青森県にも移入されている。

河川の中流域から下流域、湖の沿岸、またこれに繋がる小川や灌漑用水路などに生息しているが、流れが緩やかで水のきれいな砂底や砂礫底を好む。

カマツカは胸びれを広げて水底にじっとしている事が多いが、性質はおとなしく、外敵が近づいたり驚いたときなどはよく砂の中にもぐる。
この習性から、「スナホリ」・「スナムグリ」・「スナモグリ」などの別名で呼ばれることがある。

ツチフキなどにも似ているが、カマツカの下唇に見られる乳頭状の突起ははっきりとしているほか、ツチフキの背びれは体長に対して大きく、背びれや尾びれの縁は丸みを帯びている。

カマツカは雑食性で幼魚は藻類も食べるが、主に水底の水生昆虫類などを食べる。
このとき吸盤状の口を岩などにくっつけたり、砂ごと口から吸い込んで鰓あなから砂だけを出すという珍しい摂取方法をとる。

繁殖期は5~6月で、この時期には雄の吻やあご・眼のまわり・胸びれにどに追い星があらわれる。
産卵は夕方から夜間にかけて行われ、水深の浅い流れのゆるやかな場所に直径1㎜程の卵を産み、砂底に埋められる。
卵は6日程度でふ化し、半年で3~5㎝、1年で7㎝、2年で12㎝、3年で16㎝に成長する。
寿命は、自然下でも4~5年は生きると言われている。

ヤスで突いたりして食用にされる事があるが、カマツカは淡白な白身で美味しいものとされている。
塩焼きや甘露煮、天ぷらなどにされるが、淡水魚には寄生虫の危険があるので、生食は避けた方がよい。


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