タイリクバラタナゴ コイ目・コイ科 |
標準和名 | タイリクバラタナゴ | |||
分 類 | コイ目・コイ科・タナゴ亜科・バラタナゴ属 | |||
学 名 | Rhodeus ocellatus ocellatus | |||
英 名 | Rosy bitterling | |||
分 布 | 日本や中国、台湾など | |||
生息環境 | 河川や池、沼など | |||
全 長 | 6~8cm 程度 | |||
別名・地方名 | オカメタナゴ(関東・混称)、ボテ・ボテジャコ・ヒランタ(琵琶湖淀川水系・混称)、その他ニガベラ・ヒゴイなど | |||
備 考 | 外来生物法・要注意外来生物 | |||
タイリクバラタナゴは揚子江水系を中心とするアジア東部と台湾に自然分布するタナゴの仲間で、在来種のニッポンバラタナゴとは亜種関係にある。 国内には194年代(琵琶湖へは1960年代)、食用のために人為的に移入されたソウギョやハクレンなどの種苗に混じって持ち込まれ、その後も二枚貝の移動などによって分布が広がり、現在では北海道から沖縄まで、全国に渡って分布している。 体は側扁して平たく、体高は高い。 特に、成長した大型の雄では背中が盛り上がり、全体の感じがひし形のようにも見える。 測線は不完全で、体側中央部には背びれの起点辺りからはじまる暗色の縦条がある。 肩部にもやや長い暗色の横斑があり、腹びれの前縁には光沢のある白い線がある。 しかし、腹びれの白線は個体差があり、雌では不明瞭であったり、見られないものもいる。 また、口ひげはなく、幼魚には背びれに黒い斑がある。 在来種のニッポンバラタナゴとはよく似ていて、両種を判別するのは極めて難しい。 相違点は、タイリクバラタナゴの方が体が大きくなり、体高が高く、腹びれの前縁が白く縁取られていること。 また、ニッポンバラタナゴでは側線鱗がほとんどないことなどであるが、雄雌の違いや個体差などもあって、形態だけで見分けるのは困難である。 また、同じタナゴ類のカネヒラとも似ているが、カネヒラの側線が完全であるのに対して、タイリクバラタナゴの側線は不完全であることから判別する事が出来る。 平野部の池や沼、水路などのほか、河川では中流から下流域の流れの緩やかなところや支流に生息し、稚魚の間はワムシなどの動物性プランクトンを主に食べ、成長にともなって付着藻類やユスリカなどの小さな水生動物を食べる。 繁殖期は3~9月で、他のタナゴ類と同様、ドブガイなどの生きた二枚貝の鰓に卵を産み付ける。 この時期の雄は婚姻色を示し、体側の背は青緑色に輝き、胸や腹部にかけては鮮やかな朱色になる。 また、背びれとしりびれの縁や尾びれの中央部も鮮やかな朱色になる。 繁殖は雄が二枚貝のまわりに縄張りを張って雌を誘導し、二枚貝の出水管に数個の卵を産み付ける。 卵は1~2日でふ化し、仔魚は約20日~1か月程の間は貝の中に留まり、その後に外に出て泳ぎだす。 また、仔魚は1年程で成熟するが、早い時期に生まれたものの中には、その年の秋までに産卵するものもいる。 寿命は飼育下で4年程だが、自然下では短く、2年程度。 タイリクバラタナゴは在来種のニッポンバラタナゴと容易に交雑するため、タイリクバラタナゴの分布が広がるにつれて、ニッポンバラタナゴは減少してしまっている。 また、交雑種のほとんどはタイリクバラタナゴの特徴を持っており、ニッポンバラタナゴはほとんど絶滅に近い状況にある。 現在、外来生物法では要注意外来生物に指定されており、指定外来種に定めている自治体も多い。 コイ科の魚類へ / このページの先頭へ |