ホシササノハベラ

ホシササノハベラ ススズキ目・ベラ科

ホシササノハベラ

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標準和名 ホシササノハベラ (星笹之葉倍良)
分 類 スズキ目・べラ亜科・ベラ科・ササノハベラ属
学 名 Pseudolabrus sieboldi
分 布 日本や台湾など
生息環境 沿岸の岩礁域など
全 長 15~25cm 程度
別名・地方名 ブンジ(京都)、アカペラ(三重)、その他・ベラ、ササノハベラ、ベロ、アカベロ、モクズ、ヤナギノハ、ヒメギソ、ヒコゼなど
備 考 背びれ・8~ 9棘11軟条、 しりびれ・3棘10軟条
ホシササノハベラは日本海側では青森、太平洋側では千葉辺りより南の琉球列島をのぞく各地に分布しているベラの仲間で、済州島や台湾などの沿岸部にも見られ、単にベラやササノハベラと呼ばれることもある。

体は側扁し、吻はとがった感じがする。
口は小さくて吻端についていて、背びれの基底は長く、尾びれの後縁は截形(せっけい)をしている。

体色は褐色や赤褐色のほか、緑がかったものや赤っぽいものなど、個体差がある。
背側には白い小さな斑が散らばっていて、目の下には暗褐色の縞が見られる。

一見して同属のアカササノハベラとはよく似ていて、以前は同一種として、ホシササノハベラは雄、アカササノハベラは雌として、同じ「ササノハベラ」として扱われていた。

アカササノハベラとの違いは、ホシササノハベラの体側には白い斑があることや、眼の下の暗色の縞が真っ直ぐかやや下向きに伸びていることなどで判別する。
また、アカササノハベラよりも浅場の温帯域を好む傾向があるが、両種とも寒い冬場などは砂にもぐって冬眠をする。

ホシササノハベラは性転換をする魚として知られているが、仔魚はすべて雌として生まれてくる。
成熟した雄は岩場などに縄張りをつくり繁殖するが、繁殖後に雄が死んだり、いなくなってしまった場合、一番からだの大きな雌が雄になって縄張りをつくり繁殖を行う。

これは、縄張りを持てる大きさになるまでは、雌として産卵する方が子孫を残すのに都合がよいと考えられているが、周囲に雌がいなくなると(つまり周りが雄ばかりになると)、一番からだの小さい雄が再び雌に性転換するという特長をもっている。

雌雄のどちらにも性転換できるものには、ホシササノハベラのほかダルマハゼやオキナワベニハゼ、ホンソメワケベラ、アカハラヤッコ、オキゴンベなどが知られている。

岩礁域などに生息しているが、海草の多い岩礁と砂地が混ざるようなところに多く見られる。
産卵期は夏から秋にかけて見られ、エビやカニなどの甲殻類やゴカイ、イソメ類などのほか、ウニなども食べる。

ホシササノハベラは刺し網や底曳網などで獲られ、食用に利用されている。
白身の魚で、塩焼きや煮つけなどに利用され美味しいものとされているが、東日本よりも西日本でよく食べられている。

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