アゴハタ ススズキ目・ハタ科 |
標準和名 | アゴハタ | |||
分 類 | スズキ目・スズキ亜目・ハタ科・アゴハタ属 | |||
学 名 | Pogonoperca punctata | |||
英 名 | Bearded Soapfish / Soapfish / Spotted soapfish | |||
分 布 | 西・中部太平洋やインド洋など | |||
生息環境 | 沿岸の岩礁域やサンゴ礁域など | |||
全 長 | 30~35cm 程度 | |||
備 考 | 背びれ・7棘12~13軟条、しりびれ・3棘8軟条 |
アゴハタは、日本から珊瑚海、ミクロネシアにかけての西太平洋や、サモアやトンガ、ライン諸島などの中部太平洋などにも分布しているハタの仲間で、国内では和歌山や高知などの南日本に分布している。 また、インドネシア西海岸からコモロやマダガスカル、モーリシャス、セイシェル、南アフリカなどにかけてのインド洋にも分布している。 但し、分布域は広いが、生息地は連続していないとも言われている。 体は楕円形で側扁していて、尾びれの後ろ縁は丸い。 下顎には大きな皮弁があり、よく目立つ。 体色は幼魚と成魚で異なっていて、成魚は淡い褐色のような色合いで、背部には暗色の鞍掛け模様があり、頭部にも眼を通る暗色の帯が見られる。 また、頭部や体側には小さな白色の斑が密生しているが、各鰭に斑などはない。 幼魚では、暗色の部分が網目模様のように体を覆っていて、大きな白色や黄色っぽい斑があるように見える。 アゴハタは水深20~150m辺りまでの沿岸のサンゴ礁域や岩礁域などで多く見られるが、水深210m辺りでも観察されている。 やや流れのあるようなサンゴ礁の斜面などに多く、普通は単独やペアで生活している。 また、幼魚は水深10m程の内湾でも見られ、小魚や甲殻類などを食べる。 ところで、アゴハタはヌノサラシのように体表からグラミスチンという粘液毒を分泌することから、以前はキハッソクやルリハタなどを含めヌノサラシ科に分類されていたが、現在はいずれもハタ科に属している。 また、この毒は身を守るために役立っているほか、大きな獲物を捕らえるのに役立っているとも言われている。 ストレスや危険を感じたときにも粘液毒が出されるが、英名の「soapfish」は、皮膚から放出された毒素が、石鹸で泡立てたように見えることからつけられている。 このほか、アゴハタの粘液毒は人への害はないとされていて、地域によっては食用に利用されているほか、幼魚は観賞用に利用されることがある。 |
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