キハッソク ススズキ目・ハタ科 |
標準和名 | キハッソク (木八束) | |||
分 類 | スズキ目・スズキ亜目・ハタ科・キハッソク属 | |||
学 名 | Diploprion bifasciatum | |||
英 名 | Barred soapfish / Yellow emperor | |||
分 布 | 西部太平洋やインド洋など | |||
生息環境 | サンゴ礁や岩礁域など | |||
全 長 | 20~25cm 程度 | |||
別名・地方名 | キハッチョウ(和歌山)、ソネワセ(長崎)、ワシダイ(鹿児島)、その他・アブラウオ、キワシダイなど | |||
備 考 | 背びれ・8棘13~16軟条、しりびれ・2棘12~13軟条 |
キハッソクは日本から東シナ海、南シナ海を経てアラフラ海やグレートバリアリーフ、ミクロネシアなどの西太平洋に分布しているハタ科の海水魚で、国内では南日本などに分布している。 また、アラビア海やベンガル湾を含むインド洋にも分布していて、オーストラリアの南岸域などでも見られる。 キハッソクとは大変変わった名前だが、これは主に和歌山県で使われている名称で、この魚を美味しく煮るには「木八束」も必要であるという事からつけられたと言われている。 体は側扁し、体高は高い。 体色は黄色や黄褐色で、眼を通る黒褐色の横帯があり、体側中央辺りにも黒褐色の太い横帯が見られる。 口は大きく上向きで、背びれには深い欠刻が見られる。 また、幼魚では背びれの第2、第3棘が糸状で、かなりの長さで伸びている。 キハッソクは水深100m程のところでも見られるが、普通は水深50m位までの浅場の岩礁域やサンゴ礁域に生息していて、主に小魚や小型の甲殻類などを食べる。 しかし、突出した顎は大きく開くことができ、驚くほど大きな魚を呑み込むことができる。 また、キハッソクはルリハタやアゴハタなどのように皮膚から出る粘液にグラミスチンという毒素をもっていて、これが身を守るのに役立っていると考えられている。 この毒素は魚を殺す魚毒性で、危険を感じたときや、大きな獲物を捕らえるときなどに分泌されるが、英名の「soapfish」は、皮膚から放出された毒素が、石鹸で泡立てたように見えることからつけられている。 このほか、キハッソクは食用として流通することはないが、希に塩焼きなどの食用にされるほか、観賞用などにも利用されることがある。 尚、キハッソクは現在にハタ科に属しているが、以前はルリハタなどと共にヌノサラシ科に分類されていた。 |
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