キジハタ ススズキ目・ハタ科 |
標準和名 | キジハタ (雉羽太) | |||
分 類 | スズキ目・スズキ亜目・ハタ科・ハタ亜科・マハタ属 | |||
学 名 | Epinephelus akaara | |||
英 名 | Redspotted grouper / Hong Kong grouper | |||
分 布 | 日本や朝鮮半島、中国など | |||
生息環境 | 沿岸部の岩礁域など | |||
全 長 | 30~40cm 程度 | |||
別名・地方名 | アコウダイ(関東)、アコウ・アコ(関西)、アカアラ(長崎・福岡)、アズキマス(愛知)、アカミズ(島根)、その他・アオナ、アカラ、アコマス、イネズ、ヤマドリなど | |||
備 考 | 背びれ・11棘15~17軟条、しりびれ・3棘8軟条 | |||
保護状況 | 国際自然保護連合(IUCN)レッドリスト・準絶滅危惧種(NT) | |||
キジハタは青森県より南の日本各地や朝鮮半島、台湾、中国やベトナムなどの沿岸部に分布するハタ科の海水魚で、大きいものでは50cm程に成長する。 体は他のハタ科のように腹部が膨らんだ感じで側扁し、口は大きく、斜め上向きについている。 各ひれは比較的大きく、背びれや胸びれ、しりびれの一部は棘になっていて、鰓ぶたの先も尖っている。 体色は赤みを帯びた薄い褐色や黄褐色などで、体側には4~5本の太い暗色の横縞がある。 背びれの中央あたりの背中には暗色の斑があり、体には、全体にオレンジ色のはっきりとした小さい斑点がある。 この斑点は各ひれにも付いているが、歳を取ったものでは不鮮明になる。 全体に見られるオレンジ色の斑点はかなり目立つように思えるが、岩陰などでじっとしていると、案外目立つことなく、保護色の役割を果たしている。 また、キジハタの名前は、この模様が雉の雄の羽に似ていることから付けられたと言われている。 同属のノミノクチ(E. trimaculatus)とよく似ているが、背中に見られる暗色の斑が、ノミノクチでは三つあるので見分けることができる。 オオモンハタなどとも似た感じがするが、オオモンハタの尾びれ後縁は白く縁取られている。 水深50m位までの比較的浅い沿岸部の岩礁域や砂場などに生息し、海岸近くや波の荒い磯などでも見られる。 普段は群れることなく単独で生活し、おもに夜間に活動し、昼間は岩陰などに潜んでいることが多い。 主にエビやカニ等の甲殻類を食べるが、大きいものでは魚を多く食べる。 産卵期は7~9月頃であるが、キジハタは性転換を行うことが知られている。 仔魚はすべて雌として生まれるが、普通は成熟して繁殖した後、雄に性転換して再び繁殖を行う。 全長が30cm程になると雄に性転換するが、飼育下などで同じ大きさの雌を飼育していると、小さいものでも雄に性転換するもの見られる。 また、雌より大きな雄がいると、雄に換わらずに成長を続けるものもいる。 キジハタは釣りや刺し網、定置網などで漁獲され食用とされるが、白身でかなり美味しいものとされている。 刺身や煮付け、鍋物、塩焼きなどにされるが、スーパーなどでは見かけず、高級魚として取り扱われている。 一年を通して漁獲されるが、元々漁獲量が少なく、近年では更に減少している。 この為、種苗の量産試験や放流試験が行われている地域もあるが、キジハタはアカマダラハタなどと共に、現在は国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに準絶滅危惧種(EN)として指定されている。 |
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