イカナゴ

イカナゴ ススズキ目・イカナゴ科

イカナゴ

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標準和名 イカナゴ (玉筋魚)
分 類 スズキ目・イカナゴ亜目・イカナゴ科・イカナゴ属
学 名 Ammodytes personatus
英 名 Japanese sand lance / Pacific sandlance
分 布 北海道から九州、朝鮮半島など
生息環境 沿岸の砂泥底など
全 長 15~25cm 程度
別名・地方名 コウナゴ(東京)、メロウド・メロド(仙台)、カナギ、シンコ、カマスゴ、アブラメなど
備 考 背びれ・55~57軟条、しりびれ・28~32軟条
イカナゴの仲間は北半球の寒帯域から温帯域を中心に熱帯域まで見られるが、本種はオホーツク海側を省く北海道から九州のトカラ列島辺り、朝鮮半島の日本海側などに分布し、国内では瀬戸内辺りより北に多く見られる。

体は細長い円筒形で、腹びれはない。
吻は尖り、下顎は上顎よりも長く、口には歯がない。
背びれは胸びれの後端近くからはじまっていて、背びれの基底は長い。

体色は銀白色で、腹部は青味を帯び、体側には斜め後方に向かう多数の皺が見られる。
また、鱗は微小な円鱗で、側線は体側中央を背びれと平行に走っている。

沿岸域の砂泥底などに大きな群れで生息し、動物プランクトンなどを食べる。

産卵は水温10℃前後の冬から早春にかけて見られ、水深10~30m程の砂底に沈性の付着卵を産卵する。
幼魚は春に内湾から外海の岸近くを大群れで過ごし、成長に伴って深場に移っていく。
1年で10cm程度、3~4年で20cm程に成長し、寿命は5年程度と言われている。

イカナゴは夏眠する魚としても知られていて、水温が15℃以上になる初夏から晩秋にかけては、砂の中に潜って夏眠をする。
瀬戸内では水温が19℃になる6月には砂の中に潜り込み、3~5cm程の深さのところで夏を過ごすと言われている。

イカナゴは大切な食用魚で、定置網や船曳網などで漁獲され、生食や加工製品などに広く利用されている。
成魚は天ぷらや煮つけ、焼き物などに利用され、幼魚は佃煮や干物などに利用される。
漁獲量の多い瀬戸内海東部では、「釘煮」と呼ばれる幼魚の佃煮が広く親しまれている。

また、イカナゴは養殖用の餌としても利用されているほか、イワシなどと共に、ブリなどの中・大型魚の餌ともなる重要な魚でもある。
しかし、近年では乱獲や海底の砂利や砂の採取などによって生息環境が奪われ、生息数は各地で著しく減少している。
特に、夏眠をするイカナゴは半閉鎖的水域に生息しているとも言えるので、生息環境の破壊は地域的個体群に壊滅的な打撃を与えることになる。

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