イサキ ススズキ目・イサキ科 |
標準和名 | イサキ (伊佐木、伊佐幾、鶏魚) | |||
分 類 | スズキ目・スズキ亜目・イサキ科・コショウダイ亜科・イサキ属 | |||
学 名 | Parapristipoma trilineatum | |||
英 名 | Chicken grunt | |||
分 布 | 日本や朝鮮半島、南シナ海など | |||
生息環境 | 沿岸の岩礁域など | |||
全 長 | 30~45cm 程度 | |||
別名・地方名 | オクセイゴ(東北地方)、クロブタ(神奈川)、コシタメ(静岡)、エサキ(北陸・山陰)、ウズムシ(近畿)、カジヤコロシ(和歌山)、イセギ(高知)、イッサキ(九州)、ハンサコ(大分や宮崎)、ソフ(鹿児島県内之浦)、クチグロマツ(奄美大島)、その他イサギ、イヤギなど | |||
備 考 | 背びれ・13~14棘17~19軟条、しりびれ・3棘8軟条 |
イサキはイサギとも呼ばれる馴染みのある海水魚で、千葉や福井より南や朝鮮半島、台湾、南シナ海などに分布している。 体は側扁し、体色は背面が褐色や茶褐色、濃灰色などで、腹面は白っぽい。 幼魚や全長20~30cmくらいのものには、褐色の地に、黄色っぽい白色の縦縞が3本ほど見られる。 この縞模様がイノシシの子どもの模様に似ていることから、イサキの若魚を「瓜坊(うりぼう)」などと呼んだりするが、成魚でも春夏にはこの縦縞が現れる。 鱗は頭部にも見られ、吻端を除いて、ほとんど鱗に覆われている。 イサキは沿岸魚で、水深6~50m程度の、海草の多い岩礁域に群れになって生息し、中層魚であるが、日中は海底の岩の間などに潜んでいることが多い。 夜間になると海面近くに上がってきて、浅い岩礁域などで餌を探して活動し、小型の甲殻類や多毛類などのほか、小魚などの動物質を食べる。 産卵期は6~9月頃で、直径0.8mm程度の浮性卵を産む。 卵は1日ほどで孵化し、稚魚はプランクトンを食べながら成長する。 1年で12~13cm、2年で20cm、3年で25cm程に成長し、自然下での寿命は20年程度と言われている。 重要な食用魚で、定置網や刺し網などで漁獲され、一年を通して市場に流通している。 近年は養殖したものも流通していて、刺身や塩焼き、煮付けや唐揚げなど、いろいろな料理で食べられている。 白身の魚で美味しく、晩春から初夏頃にかけてが旬と言われている。 また、イサキは釣りの対象魚としても人気あり、船釣りや磯釣りなど、各地で盛んに行われている。 標準和名の「イサキ」は、磯に見られることから「磯魚(イソキ)」、また、幼魚の縞模様から「班魚(イサキ)」などと呼ばれることに由来すると言われているが、西日本の汽水域など見られるイサキとよく似たシマイサキ(縞伊佐木・Rhyncopelates oxyrhynchus)は、イサキと違ってシマイサキ科に属していて、コトヒキ(ヤカタイサキ・Terapon jarbua)もシマイサキ科に属している。 また、イサキは南西諸島は分布しないとも言われている。 |
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