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カムルチー スズキ目・タイワンドジョウ科



カムルチー


カムルチー 1カムルチー 2カムルチー 3カムルチー 4

標準和名 カムルチー (ライギョ・雷魚)
分 類 スズキ目・タイワンドジョウ亜目・タイワンドジョウ科・タイワンドジョウ属
学 名 Channa argus
英 名 Northern snakehead / Spotted snakehead
分 布 中国、朝鮮半島など
生息環境 湖沼や河川の中流や下流域
全 長 70~80cm 程度
別名・地方名 ライギョなど
備 考 背びれ・45~54軟条、しりびれ・31~35軟条
カムルチーはアムール水系から長江周辺までの中国と朝鮮半島に自然分布するタイワンドジョウ科の大型の淡水魚で、国内へは1923年頃に朝鮮半島から移入されている。

体は細長い円筒形で、背面は茶褐色や緑褐色で腹面は白っぽい。
体側には縁取りのある暗色の斑紋が二列に並んでいて、背びれとしりびれの基底はかなり長い。
頭部は長く、口ひげはないが、口は大きく、眼の後ろまで裂けている。
また、歯は鋭くて大きい。

形態はタイワンドジョウに似ているが、タイワンドジョウは体側に三列の暗色斑があり、背びれとしりびれの条数も少ない。
また、カムルチーはライギョ(雷魚)とも呼ばれているが、これはカムルチーとタイワンドジョウの2種を指す混称で、先に移入されたタイワンドジョウに対する呼称がそのまま定着したものである。

湖沼や河川の中流域や下流域の流れの緩やかなところや水路などに生息し、水草の多いところに単独で生活している。

肉食性で魚やカエル、大型の甲殻類などを食べるが、水鳥の雛やネズミなどを食べることもある。

カムルチーは上鰓器官と呼ばれる器官をもっており、これによって直接空気を吸い込み、空気呼吸ができる。
その為に、酸素の少ない水の汚れた水域でも生活することができる。

冬には水草や泥の中に潜り込み,ほぼ冬眠状態で越冬する.

産卵期は5~8月で、この時期の雌雄は体色が銀白色となり、体側の斑紋が見えないくらい淡くなる。
産卵は雌雄が共同して、水草などを集めて直径1m程のドーナツ状の巣を水面に作り、その中に浮遊性の卵を産む。
卵は2~3日でふ化するが、産卵後もしばらくは雌雄が巣に留まり、卵や産まれたばかりの仔魚を保護する習性がある。
1年で25㎝、2年で35㎝、4年で50㎝程に成長し、普通は2年で成熟する。

現在、カムルチーは国内のほぼ全域に渡って移入されているが、肉食性の大型淡水魚であるため、在来の生態系に影響を及ぼすことが懸念されている。
外来生物法で要注意外来生物に指定されているほか、自治体によっては移植禁止措置なども行っている。
その反面、近年はブラックバスブルーギルなどとの競合や、水草などの減少による生息環境の悪化に伴い、地域によっては生息数が減少しているところもある。

カムルチーは中華料理などで食用にされ、僅かながら流通している。
から揚げやフライにされるが、カムルチーには顎口虫という寄生虫が多いため、生食は危険である。
また、釣りの対象魚ともなっているが、特にこれを狙うことは少ない。