ヒナモロコ コイ目・コイ科 |
標準和名 | ヒナモロコ (雛諸子) | |||
分 類 | コイ目・コイ科・ダニオ亜科・ヒナモロコ属 | |||
学 名 | Aphyocypris chinensis | |||
英 名 | Chinese bleak | |||
分 布 | 日本や朝鮮半島など | |||
生息環境 | 湖沼や小川など | |||
全 長 | 6~7cm 程度 | |||
備 考 | 背びれ・3不分枝軟条6~7分枝軟条、しりびれ・3不分枝軟条7~8分枝軟条 | |||
保護状態 | 環境省レッドリスト・絶滅危惧IA類(CR) | |||
ヒナモロコは朝鮮半島や中国東部などに広く分布しているが、国内では九州北部の限られた地域だけに自然分布している。 この為、日本列島がかつては大陸と地続きであったことを証明する魚とも言われる。 平野部の流れのゆるやかな河川のよどみや細流、湖沼、用水路などに生息し、体色は淡褐色で、腹部は白っぽい。 体側には薄い暗色の縦縞が見られ、側線は不完全で胸びれの上辺りで終わっている。 眼は大きく、口ひげはない。 また、雌の方が体が大きくなる。 一見して近縁のカワバタモロコに似ているが、ヒナモロコはカワバタモロコよりも体高が低く、腹びれの後の腹縁に膨らみがないことなどが見分けるポイントとなる。 自然状態での餌は詳しく分っていないが、雑食性で水生小動物や付着藻類などを食べると考えられている。 繁殖期は水温の高い5月から8月頃で、水草に卵を産み付ける。 この時期の雄には追星が表れ婚姻色を示すが、カワバタモロコほど鮮やかな金緑色にはならない。 卵は1から2日でふ化し、寿命は、長くて3年から4年と言われている。 ヒナモロコは、開発や環境の悪化などにより生息数が激減し、国内では絶滅したと考えられていた。 しかし、近年になって再発見され、福岡市や久留米市などでその姿を見ることが出来るようになった。 現在では環境省のレッドリストにも絶滅危惧種・IA類として指定され保護されている他、生息地域においても、環境保全を含めた保護活動が行われ、繁殖にも取り組んでいる。 ヒナモロコは低温にも比較的強く、飼育下でもよく育つ。 また、飼育下での繁殖も容易だと言われているが、このような魚が一時は絶滅したと思われたほど数を減らしたことは、人の手によって如何に自然環境に変化が起こったかということを考えさせられる。 また、名前に「モロコ」とついているが、ヒナモロコはカワバタモロコなどと同じダニオ亜科に属していて、 スゴモロコなどが属するカマツカ亜科やタモロコの属するバルブス亜科ではなく、オイカワやカワムツなどと類縁関係が深い。 コイ科の魚類へ / このページの先頭へ |