コウライモロコ コイ目・コイ科 |
標準和名 | コウライモロコ (高麗諸子) | |||
分 類 | コイ目・コイ科・カマツカ亜科・スゴモロコ属 | |||
学 名 | Squalidus chankaensis tsuchigae | |||
分 布 | 日本や朝鮮半島など | |||
生息環境 | 河川の中流から下流域など | |||
全 長 | 10~15cm 程度 | |||
別名・地方名 | ムギ、ムギバエ、ムギツク(混称)など | |||
コウライモロコは朝鮮半島西岸のほか、国内では濃尾平野、琵琶湖淀川水系、和歌山県から広島県までの瀬戸内海側と四国の吉野川に自然分布している。 比較的大きな河川の中流から下流域のほか農業用水路などにも生息し、砂底や砂泥底・砂礫底を好み、カマツカなどと一緒にいることも多い。 コウライモロコは名前に「モロコ」と付いているが、スゴモロコ、デメモロコ、イトモロコと共にコイ科のカマツカ亜科に属し、タモロコやカワバタモロコなどはバルブス亜科、ダニオ亜科に属していて、これらとは類縁関係が異なっている。 体長はふつう12~13cm程で、体色は光沢のある銀白色、体側には黒点と光の具合によって緑色に光る縦筋があるが、成熟した雄は粒状の追星が胸びれに表れ、体が黒ずんだ感じになる。 口には2本の口ひげがあり、琵琶湖に生息する亜種のスゴモロコとは大変よく似ているが、コウライモロコの方が体高が高く、太短くてずんぐりした感じがする。 また、コウライモロコの吻はやや短くて口先は丸く、口ひげは少し長い。 しかし、両種には個体差などもあり、形態が極めてよく似ている。 遺伝的にも大きな違いはないとされ、側線鱗数などもコウライモロコが37~40、スゴモロコが39~41、脊椎骨数もコウライモロコが36~38、スゴモロコが37~39と重なり合う。 また、両種は交雑することもあり、外見だけではより一層見分けのつかないものが増えていて、同種とされる意見もある。 ふつうイトモロコなどより下流域を好むが、生息地域によっては上流域にまで多くみられる。 両種もよく似ているが、コウライモロコにはイトモロコに見られる頭部の後ろから背びれの前にかけての盛り上がりはなく、体側の側線鱗がイトモロコでは上下に長いので見分けることが出来る。 また、イトモロコの側線鱗数は33~36で、コウライモロコよりも少ない。 雑食性で、ミジンコなどのプランクトンや、エビ、ユスリカなどの底生動物のほか、巻貝や付着藻類など、何でも食べる。 また、流通はしていないが、刺し網で獲ったり、オイカワ釣りに混じって釣れることもあり、甘露煮などにすると美味しいといわれ、食用にされることがある。 産卵期は5~8月で、繁殖生態は詳しく分っていないが、水深2~6m程の砂泥底に、粘性の弱い沈性卵をばらまくとされている。 1年で5~7cm、2年で8~10㎝程に成長する。 コイ科の魚類へ / このページの先頭へ |