コウライニゴイ コイ目・コイ科 |
標準和名 | コウライニゴイ (高麗似鯉) | |||
分 類 | コイ目・ コイ科・カマツカ亜科・ニゴイ属 | |||
学 名 | Hemibarbus barbus | |||
英 名 | Barbel steed | |||
分 布 | 日本や朝鮮半島、中国など | |||
生息環境 | 河川の中流から下流域など | |||
全 長 | 40~50cm 程度 | |||
別名・地方名 | キツネゴイ(三重・大阪)、ヒバチゴイ・ヘバチゴイ(奈良・和歌山)、ムギワラゴイ(広島)、ミノ(青森県)、セータ(関東地方)、アラメ(長野県)など | |||
コウライニゴイは中部地方から山陽地方、四国のほか、朝鮮半島や中国、台湾にも広く分布しているニゴイの仲間で、河川の中流から下流域のほか、平野部の湖や池などにも生息している。 砂底や砂礫底を好み、群れをつくって生活しているが、塩分の混ざる汽水域などでも見られ、水の汚れにも比較的強い。 体は僅かに側扁しているが円筒状に近く、体色は灰白色、背面は緑褐色をおび腹面は白っぽい。 側線は完全で、口には二本のひげがあり、名前のようにコイに似ているが、コウライニゴイの吻先は長くとがった感じで、口は下向きについている。 また、体は細長く、背びれの基底も短いのでコイとは見分けることが出来る。 しかし、ニゴイとは大変よく似ていて、外見だけで判別するのは大変難しい。 ニゴイとの違いは、ニゴイは鰓耙数(さいはすう)12~18、コウライニゴイは鰓耙数19~25と違っているほか、外見上の違いとしては、コウライニゴイでは下唇の皮膜が発達していて、ニゴイと比べると下唇が厚いという特徴がある。 しかしながら、下唇の厚さの違いなどは、捕獲して腹側から見ないと確認できず、上面や側面から判別するのはほとんど無理である。 また、小さい固体では下唇の皮膜もよく発達しておらず、個体差なども加わって識別の困難が増してしまう。 分布域においては、ニゴイは中部地方より北の本州と九州北部に分布しているが、石川県、滋賀県、三重県などでは両種が混在している。 両種は生息環境も似ているので交雑も生じているようで、両種の判別はますます困難になっている。 生態や食性などについては詳しい事は分っていないが、およそニゴイと同じであると思われ、水生昆虫のほか貝などの底生動物や付着藻類、また小魚も食べると考えられている。 繁殖期は4~7月で、降雨の後、河川の中流域で産卵するが、繁殖活動は砂礫底の浅場に数尾が群れて産卵する。 卵は直径3㎜程の沈性の粘着卵で、受精後3~4日でふ化し、1年で8~12㎝、2年で16~22㎝、 3年で20~30㎝程に成長する。 幼魚は体側に暗い斑が8~12個程ほど縦に並んでいるが、成長すると共に斑はなくなる。 コウライニゴイは釣りの対象魚のほか、ニゴイと同様、食用としては流通することはないが、コイやフナ、ウグイ、ウナギなどと一緒に漁獲される。 小骨が多いが美味しい魚で、あらいやから揚げ、天ぷらなどにされる。 国内のニゴイの仲間は、この他に近畿地方と中国地方に分布しているズナガニゴイが知られているが、ズナガにゴイは全長20cmほどで、体に小さな褐色の斑があるので見分けることが出来る。 コイ科の魚類へ / このページの先頭へ |