ニゴイ コイ目・コイ科 |
標準和名 | ニゴイ (似鯉) | |||
分 類 | コイ目・ コイ科・カマツカ亜科・ニゴイ属 | |||
学 名 | Hemibarbus barbus | |||
英 名 | Barbel steed | |||
分 布 | 日本や朝鮮半島、中国など | |||
生息環境 | 河川の中流から下流域など | |||
全 長 | 45~60cm 程度 | |||
別名・地方名 | ニゴイ・ミゴイ(琵琶湖)、キツネゴイ(大阪)、マジカ(彦根)、ヒバチゴイ・ヘバチゴイ(奈良)、アラメ・アラメゴイ(長野県)、サイ(東京)など | |||
備 考 | 背びれ・3棘5~8軟条、しりびれ・3棘6軟条、側線鱗数・45~50 | |||
二ゴイはシベリア南東部から朝鮮半島、中国からベトナム北部のほか、台湾や日本に分布する淡水魚で、国内では本州と四国の瀬戸内側、九州北部などに自然分布している。 国内のニゴイ類は、これまでズナガニゴイとニゴイの2種類とされていたが、現在は従来のニゴイをニゴイ(Hemibarbus barbus)とコウライニゴイ(Hemibarbus labeo)の2種に分類し、これらを別種としている。 このうち中部地方より北の本州と九州北部のものは固有種のニゴイとされているが、近畿地方や四国の瀬戸内側などでもニゴイが確認されていて、身近な魚であるにもかかわらず、正確な自然分布域はよく分かっていない。 湖や池のほか河川の中流から下流域、また汽水域まで広く生息し、水の汚れにも強く、流れの緩やかな砂底に多く見られる。 全長は50cm程で、体は円筒状に近いが、僅かに側扁し、体色は灰白色、背面は緑褐色をおび腹面は白っぽい。 側線は完全で、体側の中央をほぼ真っ直ぐに走っている。 また、胸びれや腹びれ、しりびれなどは淡いオレンジ色を帯びている。 口は吻端の下方に開き、短い口ひげが2本ある。 川の上などから見るとコイ(鯉)に似ていることからニゴイ(似鯉)と呼ばれるが、ニゴイの体は細長く、体高はコイよりも低い。 また、背びれの基底は短く、尾びれの切れ込みも深いので見分けることが出来る。 ニゴイは鼻先が前に突き出ていて吻が長いのも特長であるが、これがキツネを想わせることから「キツネゴイ」の名前で呼ばれることもある。 全長20cm位までの幼魚期には、体側に円形の暗い斑が8~12個程見られるが、この斑は成長するに従ってなくなってしまう。 ところで、ニゴイはコウライニゴイと大変よく似ていて、一見して見分けることはほとんど出来ない。 判別のポイントとしては、コウライニゴイは口まわりの皮弁がニゴイよりもよく発達している点が知られているが、これは実際に魚の口元を確認しなければならず、獲らえてみて腹側から見ないと分からない。 また、小さいものは発達途中なのか見分けにくく、判別は極めて困難である。 しかし、近畿地方より西の本州に自然分布しているズナガニゴイは、全長20cm程度で体も小さく、体側には小さな黒点の列があるので判別は容易である。 食性は雑食性で、付着藻類のほか、突き出た口で水底の砂を掘ってユスリカの幼虫やカゲロウ・トビケラ類などの小動物や水生昆虫、また小魚なども食べる。 繁殖期は4月~7月で、この時期の雄は全身が黒っぽくなり、頭部に追星が表れる。 産卵は、降雨の後、川の中流域の砂礫底などに穴を掘って行われる。 卵は3~4日でふ化し、1年で8~12㎝程に成長する。 2年で16~20㎝、3年で20~30㎝に成長し、自然下での寿命は10年を超える。 流通することはないが、コイやフナ、ウグイ、ウナギなどと一緒に定置網などで漁獲される。 また、小骨が多いが美味しい魚で、釣りで獲らえて、あらいやから揚げ、天ぷらなどにされる。 コイ科の魚類へ / このページの先頭へ |