ナマズ ナマズ目・ナマズ科 |
標準和名 | ナマズ (鯰) | |||
分 類 | ナマズ目・ナマズ科・ナマズ属 | |||
学 名 | Silurus asotus | |||
英 名 | Amur catfish | |||
分 布 | 日本や朝鮮半島、中国東部からベトナム辺りにかけてなど | |||
生息環境 | 湖沼や河川の中流から下流域など | |||
全 長 | 40~60cm 程度 | |||
別名・地方名 | チンコロ(東京)、その他・マナマズ、ナマダ、ナマンズなど | |||
備 考 | 背びれ・4~6軟条、しりびれ・67~85軟条 | |||
ナマズは国内でも最もよく知られている淡水魚のひとつで、現在では離島を除くほぼ全土に分布している。 国外でも、シベリア東部のアムール川流域から東部を除く朝鮮半島、台湾や中国東部からベトナム辺りまで広く分布している。 しかし、国内における本来のナマズの自然分布域は、近畿地方より西の本州、四国、九州で、これら以外の地域のものは江戸時代以降に移入されたものが多いとされている。 体は全体に平たく側扁しているが、ナマズは 「なめらかな頭」を示すといわれ、頭部は大きくて縦扁している。 臀びれの基底は極めて長く、そのまま尾びれに繋がっているが、背びれはかなり小さい。 体色はふつう濃い褐色で、緑がかった濃褐色と薄褐色の不規則な模様があるが、体色や斑紋には差異があり、固体によって様々である。 鱗はなく、体はヌルヌルした粘液で覆われ、側線は体側を縦走している。 口は大きく、下顎は上顎より突き出ていて、上顎に1対、下顎に1対の長い口ひげがある。 仔魚の間は上顎に1対、下顎に2対のひげがあるが、成長すると下顎の1対はなくなってしまう。 また、目は小さく、背側よりに付いていて腹側からは見えない。 ナマズは河川の中流から下流域、湖や池などに生息しているが、主として夜行性で、日中は水草や岩の間などに隠れていて、夜になると餌を探して活発に行動する。 食欲は旺盛で、ドジョウやタナゴなどの小魚のほか、エビなどの甲殻類、また昆虫やカエル、ネズミなども食べる肉食性で、時には共食いをすることもある。 産卵期はふつう5月~7月で、降雨後の夜間に、水路や水田、増水によってできた一時的水域に群れになって行われる。 産卵は雌雄がつがいになり、雄が雌の腹部に巻きつき、ばら撒くように産み落とされる。 卵は水草に付着したりするが、粘着性があるために、すぐに泥まみれになってしまう。 卵は8~10日程でふ化し、1年で10~15㎝、2年で20~30㎝程に成長するが、稚魚はこげ茶色をしていて、オタマジャクシによく似ている。 寿命は長く、10年を超えると言われているが、時には自然下でも50年を超えるとも言われていて、全長1mを超えるものも見られる。 ナマズは白身の魚で、食用としても人気の高いものであったが、現在では各地で細々と漁獲されている程度である。 延縄や定置網、釣りで獲られ、天ぷらや蒲焼き、煮つけなどにされるが、冬には特に美味しいといわれている。 この他、ナマズは地震を予知すると言われているが、これは地震の前に地下で岩盤がずれる時に発生する電流を察知するためと考えられている。 ナマズは水質の汚れなどにも強い魚で、以前は川や池などでもよく見られたが、近年は河川や用水路などの整備によって餌となる生き物や繁殖場所が減少し、生息数は減少していると言われている。 また、国内には本種のほかにイワトコナマズ、ビワコオオナマズなどが生息しているが、イワトコナマズは準絶滅危惧(NT)として環境省のレッドリストに指定されている。 ナマズ科の魚類へ / このページの先頭へ |