コクチバス

コクチバス ススズキ目・サンフィッシュ科

コクチバス

コクチバス 1コクチバス 2コクチバス 3コクチバス 4

標準和名 コクチバス
分 類 スズキ目・スズキ亜目・サンフィッシュ科・オオクチバス属
学 名 Micropterus dolomieu
英 名 Smallmouth bass
分 布 北アメリカ
生息環境 湖沼や河川の中・下流域など
全 長 30~50cm 程度
別名・地方名 ブラックバスなど
備 考 1 背びれ・9~11棘13~16軟条、しりびれ・10~11棘
備 考 2 外来生物法・特定外来生物
コクチバスはカナダ南部やアメリカ合衆国中東部などに分布している淡水魚で、五大湖やセントローレンス川、ミシシッピー川流域などに広く分布している。

体は長い楕円形で、側扁している。
体色は、体側から背側は黄土色や銅色のような色合いで、腹面は褐色を帯びた銀色をしている。
また、体側には暗色の横帯が何本か見られ、若いものほどはっきりとしている。
大きいものでは70cm近くに成長し、8年程の寿命があると言われている。

一見してオオクチバスとはよく似ているが、コクチバスは上顎の後端が眼の後縁よりも後に達せず、側線上部の側横列鱗数は10~14でオオクチバスの7~9より多いなどの違いがある。

湖沼や河川の中流から下流域、汽水域などに生息し、オオクチバスと同様、魚類や甲殻類などを主に食べるが、コクチバスは低水温に対する耐性が強く、原産地ではオオクチバスよりも寒冷な水域に分布する傾向が見られる。
湖では深い場所で見られることが多く、オオクチバスと違って、河川の流水域にも適応できると言われている。

原産地での産卵期は春から初夏にかけて見られ、水温が13~20℃であれば産卵すると言われている。
産卵は雄がつくったすり鉢状の巣で行われ、雌は直径1.2~2.5mm程の沈性付着卵を産卵する。
北米では、雌一匹当たりの産卵数は5000~14000個程で、体の大きなものほど多くの卵を産卵する。
産卵後、雄は卵や仔魚を保護する習性があり、仔魚は体長10mm前後になった頃に離れていく。

白身の魚で肉は食用になり、から揚げや煮付け、ムニエル、焼き物などに利用され、美味しいものとされているが、オオクチバスやブルーギルなどと同様、コクチバスも国内各地で移入定着していて、在来種や環境への被害が深刻な状況になっている。

北米では釣りの対象魚になっていて、国内でもこれを目的とした人為的な放流が行われ、1990年代はじめに福島県の檜原湖で発見された後、2005年には長野県千曲川での繁殖が確認されている。
その後も釣りを対象とした意図的な放流がなされ、国内各地に移入し、アユウグイ、イワナやヤマメ、ヨシノボリ、ワカサギなど、多くの在来種を捕食していることが確認されている。

現在、コクチバスは外来生物法による特定外来生物に指定されていて、各地で延縄や刺し網などによる駆除も行われている。
しかし、コクチバスはオオクチバスよりも低水温や流水域に適応することができることから、河川上流部にも定着する可能性があり、繁殖力も強いことから、更なる生息域の拡大が懸念されている。
また、コクチバスはアジアからヨーロッパ、アフリカなど、世界規模で移入していて、イギリスや韓国では生体の持込み自体が禁止されている。

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