ゲンゴロウブナ コイ目・コイ科 |
標準和名 | ゲンゴロウブナ (源五郎鮒) | |||
分 類 | コイ目・コイ科・コイ亜科・フナ属 | |||
学 名 | Carassius cuvieri | |||
英 名 | Japanese crucian carp | |||
分 布 | 琵琶湖・淀川水系 | |||
生息環境 | 琵琶湖とその周辺河川 (ほぼ全国に移入分布) | |||
全 長 | 30~40cm 程度 | |||
別名・地方名 | ヘラブナ、カワチブナ、オウミブナなど | |||
備 考 | 背びれ・17~19軟条、しりびれ・6軟条 | |||
保護状況 | 環境省レッドリスト・絶滅危惧ⅠB類(EN) | |||
ゲンゴロウブナは琵琶湖・淀川水系に自然分布する固有種だが、食用や釣りの対象魚として、現在ではほぼ全国に移入分布している。 体色は灰褐色や青みを帯びた銀白色で、体高は他のフナよりも高く、眼はやや下側についている。 また、ゲンゴロウブナの特長は鰓耙(さいは)が長いことで、その数も非常に多く、普通は100本以上もあり、他のフナとの判別が容易にできる。 釣りの対象魚として人気のあるヘラブナ(またはカワチブナ)と呼ばれているものは、明治の末ごろから淀川などで獲られた特に体高が高いゲンゴロウブナを品種改良したもので、全国に移入しているものは、これを池などで養殖した養殖品種が多い。 また、固有のゲンコロウブナは改良品種よりも体高が低く、頭が大きい。 この移入品種は平野部の河川や池沼、湖などに生息し、水草が茂ったようなところに多く見られる。 湖などでは浮遊動物の多い中層に群をつくっていることが多く、水の汚れにも強い。 繁殖期は4~7月で、降雨の後の夜明け前に、浅場の水面に浮いた水草などに産卵する。 また、人造湖などの水草のないところでは、増水で水に浸かった草の根などにも卵を産み付けるが産卵は浅場に群れになって押し寄せ、水草に乗り上げるようにして粘着性のある卵を産む。 ゲンゴロウブナはフナの中でも成長が早く、1年で10cm、2年で18cm、3年で25~30cm程にもなり、成長すると50cmを超えるものもいる。 また、寿命はコイのように長く、数十年を生きるものもいると言われている。 琵琶湖周辺などを省き、一般には食用として流通はしていないが、関西では「寒鮒」とも呼び、冬場には特に美味しく、あらいや甘露煮などにされるほか、ニゴロブナの代わりに鮒ずしにも使われる。(ゲンゴロウブナの方が骨が硬いと言われている) また、養殖品種であるゲンゴロウブナ(ヘラブナ)は、大阪や香川などのため池で養殖され、主に釣りの対象魚として出荷されているが、琵琶湖に生息する本来のゲンゴロウブナは、生息地の減少やオオクチバスやコクチバス、ブルーギルなどの外来種による食害などによって個体数が減少し、現在では絶滅危惧種・IB類(EN)として環境省のレッドリストに指定されている。 尚、ゲンゴロウブナ(源五郎鮒)の名前の由来は諸説があるが、琵琶湖西岸の堅田の漁師「源五郎」という名前からつけられたと言うものが多い。 コイ科の魚類へ / このページの先頭へ |