魚の冬眠と夏眠
陸上動物の中には、クマやリスの仲間のように、冬になると木の洞などの中にこもって冬眠をする動物がいますが、魚の仲間にも冬には冬眠をするものがいます。
馴染みの深いコイやフナなどは、春から秋にかけては元気に泳いでいる姿を見かけますが、水温の下がる冬場には、魚の体温も水温と共に低下してしまうので、池や湖などの深場に集まってじっとしています。
これが冬眠状態で、この時期には餌もほとんど食べません。
また、ドジョウも泥の中に潜って冬眠しますが、ベラの仲間などでも冬眠するものが多く、キュウセンやホシササノハベラなども、冬には砂の中に潜って冬眠をします。
ボラなどは冬には白い脂肪質の膜が眼を覆い、動きが鈍くなって、一種の休眠状態にあるといえます。
冬眠とは対照的に、水温の上がる夏に夏眠する魚も知られています。
瀬戸内海に生息しているイカナゴなどは、6月には砂の中に潜って夏眠し、夏が過ぎた10月頃には泳ぎだして餌を食べるようになります。
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▲冬には冬眠するホシササノハベラ
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また、熱帯域の池や沼などに生息しているキノボリウオやハイギョなども、夏には池などの水が干上がってしまう為、泥の中に潜り込んで、雨季になって水が増えるまで夏眠をすることが知られています。
ハイギョの場合は、泥の中に潜った後、数本の細い空気孔を開けた蓋で穴の入り口をふさぎ、体表から粘液を出して体を包み込んで夏眠します。
そして、雨季になって水が増すとこの粘液の膜が溶けて、泥の中から出てきて餌を探し始めます。
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