シロメバル カサゴ目・フサカサゴ科 |
標準和名 | シロメバル (白眼張) | |||
分 類 | カサゴ目・カサゴ亜目・フサカサゴ科・メバル亜科・メバル属 | |||
学 名 | Sebastes cheni | |||
英 名 | Rockfish | |||
分 布 | 日本や朝鮮半島南部など | |||
生息環境 | 沿岸の岩礁域など | |||
全 長 | 25~30cm 程度 | |||
別名・地方名 | アオ、アオジ、キンメバル、メバル、ハチメ、メマルなど | |||
備 考 | 12~13棘13~16軟条、しりびれ軟条数・6~9 | |||
メバルは吻よりも眼の直径が長く、頭部に比べてもかなり大きいことから名前が付けられているが、メバルの仲間は、以前はいくつかの種に別けられたり、すべて1種として扱われていたが、現在は本種を含め、アカメバル(Sebastes inermis)とクロメバル(Sebastes ventricosus)の3種に分類されている。 いずれも涙骨にははっきりとしたな2本の棘があり、主上顎骨には鱗がある。 また、尾びれの後縁は丸いか、上下にまっすぐで、体側には幾つかの不明瞭な横帯が見られる。 シロメバルは岩手・秋田辺りから九州にかけて分布しているメバルの仲間で、朝鮮半島南部などにも分布している。 アカメバルやクロメバルに比べてもっとも普通に見られ、名前のように、体は白っぽいが、金色を帯びたようなものや茶色っぽいものも見られる。 また、しりびれと腹びれは茶色っぽいものが多いとも言われている。 クロメバルやアカメバルとの外見上の違いは、胸びれやしりびれの軟条数や側線有孔鱗数などが挙げられるが、シロメバルの胸びれ軟条数は16~17本(クロメバル・15~17、アカメバル・14~16)、しりびれ軟条数は6~9本(クロメバル・7~8、アカメバル・6~8)、側線有孔鱗数は37~46枚(クロメバル・43~49、アカメバル・36~44)で、いずれも他のものと重複していて、分布域も重なっていることから、これらで判別するのはきわめて困難とされている。 この他の違いは、シロメバルでは他の2種に比べて体側にある横帯がはっきりしているものが多く、胸びれが長く、しりびれ起部にまで達する傾向があることや、しりびれと腹びれの色の違い(クロメバルでは黒っぽく、アカメバルでは赤っぽいものが多い)などが挙げられるが、いずれにしても、外見だけで見分けるのは難しい。 シロメバルの生態や食性は他のメバルと同じで、沿岸の浅い岩礁域や藻場などに生息している。 単独でいるものも見られるが、小さな群れをつくっていることが多く、カサゴやソイなどのように底性ではなく、底から少し離れたところで見られる。 頭を上にして立ち泳ぎをしている様子も見られ、仔魚では小型の甲殻類などを食べるが、成魚では甲殻類の他、小魚や多毛類、軟体動物なども食べるようになる。 また、他のメバルと同様、卵胎生で、11月前後に交尾が行われ、12~2月頃に仔魚が出産される。 仔魚は成長するまで大きな群れをつくり、海藻の間などで生活している。 シロメバルは水産上重要種で、刺し網や延縄、定置網や釣りなどで獲られ、食用として広く流通している。 旬は春とされていて、煮つけや塩焼きなどの他、刺身や鍋物、唐揚げなどにも利用され、美味しいものとされている。 この他、近縁種にはエゾメバルやタケノコメバル、タヌキメバルなどもメバル類として知られているが、シロメバルを含む3種のメバル種群はもっとも普通で、船釣りや磯釣り、防波堤からの釣りなど、各地で釣りも盛んに行われていて、人気の対象魚になっている。 尚、メバルの仲間はカサゴ目・フサカサゴ科に分類されているが、独立したメバル科を新設し、ススキ目・メバル科に分類されることもある。 フサカサゴ科の魚類へ / このページの先頭へ |