クロメバル

クロメバル カサゴ目・フサカサゴ科



クロメバル


クロメバル 1クロメバル 2クロメバル 3

標準和名 クロメバル
分 類 カサゴ目・カサゴ亜目・フサカサゴ科・メバル属
学 名 Sebastes ventricosus
英 名 Japanese rockfish
分 布 日本や朝鮮半島など
生息環境 沿岸の岩礁域など
全 長 20~30cm 程度
別名・地方名 メバリ・ソイ(島根)、メバチ(福井、京都、兵庫)、ハチメ・ハツメ(北陸)、テンコ(新潟)など
備 考 背びれ・13棘14~16軟条、しりびれ・3棘7~8軟条
メバルの仲間は、北海道南部から九州、朝鮮半島などに分布しているが、これまでに幾つかの種に別けられたり、同種として扱われるなど、しばしば変遷があったが、現在では、本種・クロメバル(Sebastes ventricosus)と、シロメバル (Sebastes cheni)、アカメバル (Sebastes inermis)の三種に分類されていて、元の学名「Sebastes inermis」はアカメバルが引き継いでいる。

クロメバルは、九州から太平洋側では岩手辺り、日本海側では石川辺りまでに分布していて、朝鮮半島南部でも見られる。

体は長い卵形で、やや側扁している。
眼は大きく、眼径は吻長よりも長い。
下顎は上顎よりも長く、涙骨にはふたつの強い棘がある。

胸びれは長く、先端は尖っていて、アカメバルやシロメバルよりは体高が高い。
また、尾びれの後ろ縁はほぼ直線状になっている。

体色は全体に黒っぽく、背側は緑色を帯びている。
体側には不明瞭な暗色の斑や横帯が幾つか見られる。

一見するとメバル類は互いによく似ていて、見分けるのは難しい。
体色や斑などには変化もあることから、一般に、胸びれ軟条数やしりびれ軟条数、有孔側線鱗数などを含め、全体的に判断されることが多い。
(各鰭の軟条数などは、アカメバルのページを参照)

クロメバルは、沿岸の浅い岩礁域などに生息していて、潮通しがよく海草の多いところで見られる。
他のメバルの仲間と同様、中層から底層で見られるが、カサゴソイのように底には着かず、底から少し離れて岩礁付近を遊泳したり、岩の斜面などでホバリングするように立ち泳ぎをしていることが多い。
しかし、アカメバルやシロメバルとは異なり、群れをつくらず、単独でいることが多いとされている。

昼間は海藻の近くで立ち泳ぎをしていることが多く、夜になると活発に活動をはじめ、甲殻類や多毛類、小型の魚類などを食べる。

繁殖は秋から冬に見られ、卵胎生で、冬から春にかけて仔魚が生まれ出る。
1年で10cm、3年で15cm、5年で20cm程に成長する。
大きいものでは全長30cmを超え、20年以上の寿命があると言われている。

クロメバルは、他のメバルと同様、定置網や刺し網、釣りなどで獲られ、広く流通している。
旬は春と言われていて、白身の魚で、刺身や焼き物、煮物や汁ものなどに用いられ、美味しいものとされている。
また、釣りの対象魚にもなっていて、防波堤からの釣りも盛んに行われていて、人気がある。

尚、メバルの仲間はカサゴ目・フサカサゴ科に分類されているが、メバル科を新設して、スズキ目・メバル科として扱われることもある。
また、近縁種には、タケノコメバル(Sebastes oblongus)、ウスメバル(Sebastes thompsoni)、トゴットメバル(Sebastes joyneri)などがいる。


フサカサゴ科の魚類へ / このページの先頭へ